第二次性徴期の子どもへの関わり方は、ここに気をつけよう!【後編】

成長が早い子どもは小学4年生頃から第二次性徴期に入り、体や心に変化があらわれます。この時期は反抗期も重なり、子どもへの接し方が難しくなります。小学校・中学校の養護教諭としての経験が長い大谷由カ里先生に、第二次性徴期の子どもへの関わり方で心がけたいことを聞きました。

男子の性的興味には「見守る」ことも大切

続いて、第二次性徴期に起こる心の変化への対応を考えていきましょう。
第二次性徴の頃から、男子はしだいに性的な興味が高まっていきます。子どもの部屋から成人向け雑誌や漫画を見つけたり、インターネットの閲覧履歴に気になるものが含まれていたりすることがあるかもしれません。

そうした場合に頭ごなしに叱りつけるのは良くありません。男子が性的な興味をもつのはいたって自然なことですから、慌てたり戸惑ったりせず、まずわが子が成長の階段を上っていることを受け止めましょう。そうした雑誌などに良くない印象をもつかたもいるかもしれませんが、言ってみれば、男子なら誰もが通る道ですから「年頃になった」と温かく見守ることも大切ではないでしょうか。

子ども自身、たいてい、後ろめたい気持ちをもっており、保護者に見つかることを非常に恥ずかしく感じます。そのことを面と向かって叱られたら、その後の親子関係がぎくしゃくしかねませんから、やはり見守るのがベターな場合が多いでしょう。ただし、あまりに度が過ぎていると感じる場合は、インターネットを使っているときに「何を見ているの?」と、さりげなく牽制したり、父親から軽く話してもらったりしてもよいかもしれません。また、大人に相談できずにいる子どもは、インターネットが主な情報源になることがあります。インターネットの情報は誤りも多いため、それを信じ込んで悩むことがないように日頃から子どもとの会話を大切していきたいですね。

異性を好きになり、相手に好かれたいと思うのは自然な気持ち

第二次性徴期の頃から、男女交際に関心をもつ子どもも増えていきます。この年頃は男子より女子が積極的で、女子から告白して交際するケースがよく見られます。男子はまだまだ同性の友達と遊ぶほうが楽しいと感じる子どもが多いようです。

小学生なのに男女交際なんて……と、拒否反応を示す保護者のかたもいるかもしれません。しかし、この時期の男女交際は、たまに一緒に帰ったり、お出かけをしたりといった、友達の延長のような健全なケースが大半ですから、個人的にはあまり目くじらを立てないほうがよいと考えています。

異性を好きになり、相手からも好かれたいと考えるのは自然な気持ちです。子どもの恋愛を否定せずに受け入れて、相手から好かれたいという気持ちを応援し、それを通して人間性を高めるようなサポートをしてはいかがでしょうか。例えば、異性に好かれるために、おしゃれをしたり、勉強やスポーツをがんばったり、自分を磨くことは人間的な成長にもつながるはずです。

体と心の成長のアンバランスさにも目を向けて

第二次性徴期の子どもとの関わりで難しいのは、心の成長に伴って反抗的な態度が見られるようになることです。自我が目覚めて、自立したい気持ちと、親に依存したい気持ちが混在する難しい時期です。保護者が同じ土俵に立って言い争うと、ますます反抗的になりかねませんから、一歩引いた関わり方をするべきでしょう。

この時期は、体の成長に対して心の成長が追いつかないアンバランスな子どもも多く見られます。体の成長だけを見て大人扱いすると、子どもの不安や戸惑いは大きくなりますから、その点にも注意して気持ちを受け止める関わり方を心がけてください。第二次性徴期は、保護者が子どもとの接し方を見つめ直す時期ともいえるでしょう。

プロフィール


大谷由カ里

群馬県富岡市立東中学校養護教諭。小学校での養護教諭の経験も長く、群馬県総合教育センターで特別研修員・長期研修員を経て、群馬県養護教諭会理事も歴任した。

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