小1の夏休み、学童保育を上手に活用するためには?【後編】

小学校で初めての夏休みを迎え、学童保育で過ごすわが子。「宿題や勉強はしっかり進められるだろうか」「友だち関係のトラブルはないだろうか」などと、保護者の心配の種は尽きません。引き続き、松蔭大学経営文化学部准教授の田中聖華先生にお聞きしました。

学童保育に通いつつ、宿題や勉強をしっかりと進めるために

前編に続き、小1の夏休みの学童保育で注意したいことについて、勉強や友だち関係で注意したいポイントを説明いたします。

◆宿題や勉強ができるようなサポートを

施設によっては学習の時間が決められていることもありますが、特に決められておらず子どもに任されている場合もあります。また、公的な学童保育の指導員は子どもが安全に過ごせるように見守るのが基本で、宿題や勉強を教えてくれることはあまりないようです。友だちと一緒に思い切り遊ぶのも大切ですが、親としては宿題や勉強のことも気になりますよね。

1年生の場合、自分で勉強の計画を立てるのは難しいので、保護者のかたが「今日はこれとこれをやろうね」などと具体的に示してあげましょう。集中できる時間は子どもにもよりますが、1年生なら15~20分くらいでできる分量を出すようにしましょう。帰宅後に必ずチェックして丸付けをしたり、しっかりと取り組んでいたら褒めてあげたりすることで、子どもは「明日もがんばろう!」という気持ちになります。チェックする際にたくさん褒めて、もう少しできそうかなどを聞いて分量を調節してください。

◆学童保育に行く前の「朝勉」がおすすめ!

施設によっては、遊ぶ部屋とは別に、勉強をしたり本を読んだり静かに過ごせる部屋を設けていますが、狭い施設では同じ部屋にいろいろなことをする子どもが混在することもあります。その場合、子どもが落ち着いて勉強するのは難しいかもしれません。また皆が遊んでいるのにつられて、なかなか勉強する気が起こらないこともあるでしょう。

そうした場合は帰宅後に勉強を見てあげる必要がありますが、夕方以降はきっと遊び疲れてぐったりしているでしょう。そこでおすすめしたいのが「朝勉」です。早寝させて、その分子どもに少しだけ早起きをさせて、15~30分、机に向かえば、それで一日の勉強は終了です。「今日の勉強は終わり。思いっ切り遊んできてね」と送り出せば、子どもは心置きなく遊ぶことができます。朝は忙しいかもしれませんが、お弁当を作っている間にダイニングテーブルなどで勉強をさせれば、保護者の負担もそれほど大きくありません。夏休みの朝勉を2学期以降も続ければ、早寝早起きの習慣化、家庭学習の習慣化にもつながります。

◆夕食時などにその日のできごとを聞こう!

夕食時などに、その日のできごとについて話を聞くようにしましょう。学童保育では指導員が見守っていますが、ケンカやいじめなどが起こらないとは限りません。そうしたトラブルがあると、学童保育が子どもにとってつらい場所になりますし、「もう行かない」と言われてしまうと保護者のかたもお手上げです。子どもの話を通してトラブルの芽を感じ取り、早めに指導員や仲のよいお友だちのママに相談することをおすすめします。

また夏休み中は学童保育で過ごす時間が長いため、ふだんよりも他の子どもとのかかわりが深くなり、影響を受けやすくなります。友だちや年齢が上の子どもの影響により、言葉づかいや行動などが変わることもあるでしょう。保護者のかたからすると望ましくない言動が見られたとしても、「そんな言葉を使っちゃダメ!」などと即座に否定するのではなく、「あれ? それは誰に教わったのかな?」と、子どもの言葉に耳を傾けましょう。あまりに目に余る言動は禁止する必要ありますが、ある程度は「子どもどうしの付き合いの中では必要なことなのかも」という気持ちで許容してあげることも大切だと思います。

◆学童保育は子どもの自立を促す場になる!

保護者の中には、「夏休みなのに毎日学童保育に通わせてかわいそう……」などと、罪悪感のような気持ちを抱くかたもいるようです。しかし、学童保育は子どもの成長が促される場でもあります。学童保育には、小学校の先生のような存在はいませんから、子どもだけで遊びや活動を考えたり、トラブルを解決したりする必要がある場面が多くあります。そうした経験を通じて自立心や社会性が育っていくのです。保護者のかたには、子どもが前向きな気持ちで過ごして大きく成長できるようなフォローを心がけていただきたいと思います。

プロフィール


田中聖華

松蔭大学経営文化学部准教授。女性のキャリア開発やキャリア継続を応援するセミナー等の活動を実施。共著書に『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

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