【高校生の進路】思春期の子どもときちんと話す時間のつくり方

思春期の子どもは難しく、ふだんあまり話をしないというご家庭があるかもしれません。でも、進路については、機会を設けてちゃんと話し合いたいものですね。進路を親子で考えることは、お子さまの将来の夢を叶えるためにも非常に重要なこと。進路について真剣に話す時間をつくるには、どのようにしたらいいのでしょうか。

「進路のことについて話そう」と切り出す必要がある

進路については、なんとなく切り出す、別の話題からやんわりと話し出す、といった方法より、「進路のことを話そうか」ときちんと宣言してから話し合いを始められるといいですね。他の話題とは違うのだな、と思わせてもかまいません。緊張感をもって考える必要のある話題だからです。

日常の中で他のことをしながら向かい合わずに「進路、どうするの」と話せば、お子さまもあまり真剣な話題だと受け止めません。お茶を入れてきちんとテーブルについて、向かい合って話すのがいちばん。他の兄弟姉妹が家にいて静かな時間をつくりにくいのなら、どこかにランチやお茶に出かけてもいいですね。

もし子どもが「いやだな」という反応を見せるなら

「進路についていつか親と話さなければならない」というのは、お子さま自身もわかっています。それでも逃げ腰になるのは、まだ、何も考えていなかったり、「今の状態では叱られるかもしれない」と思っていたりするからかもしれません。もしかしてふだんからこうしなさい、ああしなさい、という指示出しが多くなってしまっていませんか?

「大丈夫?」「無理じゃない?」といった軽い言葉であっても、何かと否定されると話すのがいやになるのは当然のこと。初めはまず「今あなたがどう考えているのか知りたい」ということを伝え、聞き手に徹するのがいいですね。このときに、途中で意見や考えを言わず、最後までお子さまの考えをすべて聞いたうえで、「親として思うところ」を伝えるのは問題ありません。

特に難しい問題のひとつに、経済的な事情もあるかと思います。「うちは無理」ではなく、「こうすればできるのでは?」「こんな方法を試してみるのは?」といった話にしていきましょう。奨学金のことも積極的に検討してみるのもよいですね。アルバイトをするとしたらどんなものであれば学業と両立できるのかなど、より具体的な例を出すことが重要です。この点は、社会経験のある保護者が教えることで、お子さまが初めて知ることも多いでしょう。もちろん、奨学金のメリット・デメリットもしっかり伝えてあげる必要もあるでしょう。

ふだんから「子どもの進路」との距離をとりすぎない

高校生ともなれば進路はもう自分で決めるもの…と思うのは、基本的には間違いではありません。あまり関わりすぎたり、親を頼りにしすぎたりするようでは、さらに先に控える大切な選択を自分自身ですることもできなくなってしまう心配があるからです。ですから、基本はお子さまが自分自身で考えて選択できるように、日頃から話し合っていくことが必要です。

ですが、「将来のために保護者としてどういったことでサポートできるか」を知っておくことは非常に大切なこと。特に、経済的な面では自分の希望を言えず、遠慮しているお子さまもいるかもしれません。こういったことも含め、完全に子どもだけに任せきりにするのではなく、人生の先輩として保護者としていろいろな知識を提供していきたいですね。

思春期後半は子育ての集大成

思春期後半は「親の子育ての結果」が返ってくる頃、という考え方もあります。もしかたくなに「進路についてはすべてひとりで決めたい」と言うのなら、今までひとりで決めたいことをひとりで決められなかったことが多かったのかもしれません。あるいは、頼りすぎてきたことについて何か違う考えをもつようになったのかもしれません。いずれにせよ「今になって急に」という変化ではないのだということを保護者は理解しておきましょう。

思春期をかけ抜けていく子どもたち。改めて「わが子はどう行動したいのか」、その意思を保護者も考え直すときでもあります。つい「うちの子だからきっとこんな感じよ」と決めつけたくなりますが、いい意味でどんどん裏切られるときが来ます。これからの自立を考えて、親が正解を決めつけてしまわないようにしましょう。

プロフィール



フリースクール パーソナルアカデミー代表。大阪教育大学大学院教育学研究科修了。公立高校、大手予備校、大検予備校、NPO法人理事長を経て、現職。現在、不登校の子ども達のメンタル面と学力面をトータルにサポートしながら、生徒一人ひとりの希望進路実現に向けて取り組んでいる。

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