親子で一緒に水泳教室 ~クロール~
水泳は子どもから大人まで、幅広い年代が楽しめるスポーツです。「水に入るのが苦手」というお子さまも、練習のコツさえつかめば、しだいに泳ぐのが好きになって、水泳が得意になるでしょう。そこで、親子で一緒に練習できて、水泳が楽しくなる、とっておきの方法をご紹介します。
教えてくれるのは、東京スイミングセンターの中村礼子コーチ。競泳女子200メートル背泳ぎで、アテネオリンピック、北京オリンピックの2大会連続銅メダルを獲得。現在は水泳の指導者として活躍しています。
ビート板を使ってバタ足
水に慣れたら、実際に泳いでみましょう。最初の練習はクロールです。
クロールは、両手で交互に水をかいて、バタ足で進む泳ぎ方です。水中を進む基本であるバタ足に、手で水をかき分ける動きが加わるため、とても速く泳ぐことができます。クロールで呼吸する時、あごが上がって前を向いてしまうと、正しい姿勢が崩れてしまいます。
それでは、クロールが苦手な人でもできるようになる、とっておきの方法をお教えしましょう。
最初は、ビート板を使ってのバタ足から練習しましょう。両手をそろえてビート板の上に置き、顔を水に付け、壁を蹴って、けのびをします。足の付け根から動かすことを意識して、バタ足を始めます。
サイドキックでバタ足
続いて、サイドキックでバタ足の練習です。ビート板に右手を乗せ、伸ばした腕に耳を付けて頭を寝かせます。体は横向きのまま、バタ足で水を蹴りましょう。腕から足の先までが一直線になるようにします。このサイドキックは、クロールで息継ぎをする時の姿勢につながります。
頭を起こしたり、伸ばした腕が曲がってしまったりすると、うまく前に進めません。腕は、進む方向へまっすぐに。正しい姿勢で息継ぎができるようになると、クロールの上達も、もうすぐです。
立った状態でストローク
腕の使い方を確認しましょう。水をかく腕の動きを「ストローク」といいます。
最初は立ったまま、両手を前にそろえた状態でスタート。自分のおなかに向かって水をかき、体の後ろに手を回していきます。腕を前に戻す時は、頭の上を通して、半円を描くように持っていきましょう。
次は、この動きに息継ぎを加えてみましょう。顔を水面に向けて、息継ぎをする側の腕を後ろに持っていきます。手が胸のあたりに来たところで体を横向きにして、ここで息継ぎをします。水から出た腕を前に戻すのに合わせて、顔を水面に戻しましょう。ここで大切なのは、腕をまっすぐ伸ばして大きく回すこと。水をかく手が、おなかのあたりに来たところで息継ぎをするのがポイントです。
腕が思っているのとは違う方向へ回りそうな時は、保護者のかたが軽く腕を握って、回転をサポートしてあげましょう。
キャッチアップ・クロール
クロールの理想的な泳ぎ方を「キャッチアップ・クロール」で確認しましょう。
キャッチアップ・クロールとは、ひとかきごとに両手を前にそろえる泳ぎ方で、一方の腕を回して前で両手がそろったら、次に反対側の手でかき始めます。手をそろえるたびに、けのびの姿勢に戻るため、体をまっすぐにした基本の形を保つことができるのです。
けのびからバタ足を始めたら、片方の腕を後ろへ持っていきます。このタイミングでサイドキックの時のように体を横に傾け、息継ぎをします。水をかき切ったら、今度は後ろの手を大きく回し、頭の上を通して前へ。両手がそろったら、今度は反対の手で水をかき始めましょう。
クロールのポイントは、体をまっすぐにして、腕の動きと呼吸のタイミングを合わせること。これがリズムよくできれば、もう大丈夫。最初のうちは短い距離を泳いで、慣れてきたら、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
- <動画>親子で一緒に水泳教室 ~クロール~
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