子どもを紫外線から守る! 夏休みの子どもの日焼け対策【基本編】

5~8月は一年のうちでも紫外線エネルギーの強い時期です。WHO(世界保健機関)では、18歳までの日焼けが将来の皮膚がんや目のダメージ発症のリスクを高めるとして警告をしており、日焼け対策は世界的な課題となっています。そこで、プールやレジャーなど外で過ごすことが多くなる夏休みの子どもの日焼け対策について、神奈川県立こども医療センターの馬場直子先生にお伺いしました。

子どもは日焼けをしやすい

子どもは、大人よりも紫外線に対する防御力が弱いため、同じように太陽光に当たっていても、早く日焼けをしてしまいます。大人よりも「閾値(いきち)」(反応を起こさせる最低の紫外線量)が低いため、同じように紫外線に当たったとしても、大人は日焼けしないのに、子どもは日焼けをしてしまうのです。小学生のお子さまなどは、自ら日焼けを気にすることは多くはありません。保護者のかたが心がけてあげましょう。

日焼け予防基本の3つ

子どもの日焼けを予防する対策は3つです。

(1)紫外線エネルギーが強い10~14時はなるべく外出を避ける

10~14時は一日のなかで最も紫外線エネルギーが強く、日焼けをしやすい時間帯です。できればこの時間の外出を避けるのがよいでしょう。

(2)肌を露出しない

次に大切なのは肌を露出しないことです。UVカット効果のある長袖の上着を着るとよいでしょう。汗を吸収する綿素材で、あまりピタッとしていないもののほうが、風通しよく快適に過ごせます。帽子をかぶる場合は、つばが広めのものを用意すると、頭皮だけでなく顔や日焼けしがちな首の後ろを守ってくれます。

また、レジャーなどで長時間外にいる場合は、子ども用のサングラスもよいですね。実は目を紫外線から守ることも大切で、子どものころからの心がけで、将来の白内障のリスクを軽減できます。

(3)日焼け止めを塗る

汗をかきやすい子どもの場合、日焼け止めを塗ってもすぐに落ちてしまうことが多いと思います。夏休みの場合はプールもありますし、ウォータープルーフの日焼け止めでなければ落ちてしまい、効果はあまり期待できません。

ポイントは、こまめに塗り直してあげることです。午前・午後も出かける場合はお昼に一度、一日じゅう外にいる場合は2時間おきに塗り直すのが理想です。

もし日焼けをしてしまったら?

日焼けをして肌が赤く炎症を起こしている場合は、とにかく冷やしてあげることが大切です。濡れタオルや保冷剤をタオルに包んだものを患部に当ててほてりを取ります。そのあとで、軽い炎症を抑える効果のある市販のカーマインローションを塗ってあげるとよいでしょう。

ヒリヒリとした痛みが出たり、水ぶくれになったりするくらいひどい日焼けの場合は、皮膚科を受診しましょう。やけどと同様に、ステロイド外用薬を塗る処置を受けられ、早期に治すことができます。

骨にはよい効果がある紫外線

ただし、将来の皮膚がん発症や白内障のリスクから子どもを守ってあげたいと思うあまり、極端に紫外線を避けるのも危険な傾向といえるでしょう。

実は、紫外線にはよい効果もあります。それが、日光浴によるビタミンDの生成で、カルシウムを活性化し、骨の成長を促し、骨を丈夫にしてくれるのです。これは大人も同様で、日に当たらなすぎると骨粗しょう症になることがあります。
特に、注意をしていただきたいのが、お子さまが食物アレルギーを持っている場合です。アレルギーで食事制限をしていると、どうしても栄養は偏り、ビタミンDが不足しがちです。それに加えて極端に日光を避けると、くる病(骨軟化症)を引き起こすことがあるのです。

そういった子どもの場合は、日差しのあまり強くない早朝に20分ほど日光浴をすると、ビタミンDの生成に効果があります。

プロフィール


馬場直子

神奈川県立こども医療センター皮膚科部長。滋賀医科大学医学部卒業。横浜市立大学医学部皮膚科、横須賀共済病院皮膚科勤務などを経て1994年より神奈川県立こども医療センター皮膚科医長。2002年から現職。横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼任。

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