「黄砂アレルギー」ってどんなもの? 症状と対策

中国内陸部より日本に飛んでくる「黄砂」。量が多ければ健康被害を及ぼすこともあり、ここ数年は特に注意が必要となっています。黄砂に対して身体が過剰に反応し何らかの症状を引き起こす「黄砂アレルギー」とはどんなもの? 対策とは?

黄砂は3月から5月に飛来する量が増える

黄砂とは、中国内陸部にある砂漠の砂が「偏西風」という風に乗って日本に届く現象のことをいいます。ただ砂が飛ぶというだけのことではあるのですが、発生源の近くでは農業や生活環境にも大きな影響を及ぼし、遠方である日本でも健康被害をこうむっている人々はたくさんいます。

なぜ砂が健康被害を及ぼすのでしょうか。
黄砂は大変小さな粒です。スギ花粉が直径30~40ミクロン程度であるのに比べ、黄砂はたったの4ミクロン。体内にこのような異物が入り込めば、喉や気管に異常をきたし、咳や喘息症状の引き金となることも。

黄砂による症状は、「黄砂アレルギー」と呼ばれています。症状は、花粉症などのアレルギー性疾患と同じように、目や鼻、気管支、皮膚などにあらわれます。目に入ると、かゆみやアレルギー性の結膜炎、鼻に入ると、鼻水やくしゃみなどアレルギー性鼻炎のような症状を引き起こします。気管支に入ると喘息を誘発させる場合もあるのです。

さらに、黄砂に含まれるカビ・ダニ・ホコリなどが原因のアレルギー性疾患、アトピー性皮膚炎などを発症する場合も。花粉症と同じような症状なので、区別が難しいのですが、黄砂の飛来とアレルギーの症状が発症する時期が重なるのであれば、黄砂アレルギーの可能性もあります。
両方を併発している場合もあります。黄砂は、花粉に比べて粒子が細かいので、気管に入ったり、肺の奥まで侵入してきてそこに蓄積し、症状を長引かせることもあるようです。黄砂アレルギーの薬というものはとくにないため、症状にあわせての対症療法になります。アレルギーは、子どもにとってもしんどいもの。「黄砂アレルギー」から子どもたちを守るためには、どうすればいのでしょうか。

とにかく黄砂が体内に入らないよう対策を練る

黄砂アレルギーが引き起こされるのは、黄砂が体内に侵入してきてしまうためです。黄砂が入り込むのは、目、鼻、口などの粘膜から。肌は黄砂のような細かな物質でも体内に入り込まないようになっていますが、粘膜は肌のように異物の侵入をガードすることができません。目や鼻、口から黄砂が入り込んでしまわないように気をつける必要があります。

ただし、先ほども触れたように、黄砂はとても細かいもの。花粉を防ぐためのマスクでは、黄砂がすり抜けてしまいます。黄砂の予報などは気象庁のホームページ*で確認することができるので、気になる場合はチェックしてみては。黄砂が多い日はあまり外にお出かけしないなど、気をつけるとよいでしょう。

どうしてもお出かけが必要な場合には、外にいる時間を最低限に。室内に入る際には衣服をよくはたく、ご自宅に戻ったらすぐに着替える、うがいや手洗いをしっかりするなど、室内に黄砂を持ち込まないようにし、黄砂に触れる機会を減らしましょう。

*気象庁黄砂情報予測図 
http://www.jma.go.jp/jp/kosafcst/

プロフィール



40年間小児外科を中心に小児医療に携わる。小児外科指導医。

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