仕事が忙しいパパが育児を楽しむためのアドバイス【後編】

 普段仕事で忙しいからこそ、子どもと濃密な時間を過ごすように心がけることが大切です。そのために、ぜひ「父子旅行」をしてほしいと、労働・子育てジャーナリストの吉田大樹さんは提案します。「父子旅行」を通して、子ども、父親、そして母親には、どのような好影響があるのでしょうか。

最初は近所の公園で子どもと遊ぶことから始めよう

 父親が子どもとの関わりを深める最初の一歩としてオススメするのが「父子旅行」です。平日はなかなか遊ぶ時間が取れないからこそ、時には子どもと2人だけの濃密な時間を過ごしてみてください。

とはいえ、いきなり泊まりがけの旅行に行くのはハードルが高いので、最初は母親抜きで近所の公園などに遊びに行くことから始めるとよいでしょう。普段、遊び慣れた公園でも、母親とは異なる遊びが展開し、子どもは新鮮な楽しさを感じるに違いありません。

たった30分であっても、片時も子どもから目を離せない状況に、父親は大変さを感じるかもしれません。突然、「おしっこをしたい」と言い出したり、「のどが渇いた」と飲み物を要求されたり……。その半面、子どもが自分を頼ってくれることに喜びを感じ、次第に父親としての自信がついていくはずです。子どもの要求に臨機応変に対応するスキルも高まっていくでしょう。

一方、母親は最初は心配するかもしれませんが、子どもが楽しそうな顔をして帰ってきたら安心し、夫に頼もしさを感じてくれるでしょう。さらに短時間であっても、母親が自分の時間をもつことは、生活をリフレッシュさせて家族関係をよくすることにもつながります。

家の中で子どもと2人だけの状況をつくることもオススメ

 近所の公園の次は、電車や車に乗って少し離れた所まで出かけてみましょう。ごはんを食べさせたり、疲れて眠くなってしまったり、近場で遊ぶときよりも難題があると思いますが、きっと乗り越えられるはず。失敗しても次に生かせばよいだけですし、ちょっとしたトラブルもまたよい思い出になるものです。ここまでクリアできれば、泊まりがけの旅行も問題ないはずです。

旅行では、子どもが行きたがる遊園地などに連れて行くのもよいのですが、自然豊かな環境の中で都会ではできない体験をさせてあげるのもオススメです。自然の中で普段とは異なる姿を見せることで、子どもの父親に対する見方は変わり、もっとパパを好きになってくれるでしょう。父親にとっても、都会を離れてゆっくりとした時間を過ごすことは、毎日の生活を見つめ直すきっかけになると思います。

父子旅行と考え方は似ていますが、時には休日に母親に出かけてもらい、子どもと2人だけで家で過ごすのもよいでしょう。普段、なかなか一緒に過ごせないからこそ、家事や育児をする姿を見せることで、子どもにとってどんどん頼りになる父親になっていきます。母親にとっても特別な時間となり、特に専業主婦の場合は貴重な息抜きとなるはずです。それに父親が家事や育児のスキルを身につけて生活力を高めておくことは、母親が病気になった場合など、不測の事態への備えにもなります。

子育てを通して、父親の人生に広がりが生まれる

 今のうちから子どもとしっかりと向き合い信頼関係を培っておくことは、今後、子どもが成長して思春期などの難しい時期を乗り越えていくうえでの心の支えとなるはずです。以前、食事中に長男が小学校でいじめられていることを自分から打ち明けてくれたことがありました。幸いにも深刻な状況ではありませんでしたが、話しづらいのに自分を頼りにして伝えてくれたことをとてもうれしく思いました。

子どもの成長は一度きりです。仕事が忙しいからといって、それを見逃してしまうのは、あまりにももったいない。長い時間を一緒に過ごせないのなら、その分、深い時間を過ごせるように心がけていただきたいと思います。子どもと関わる中で、家族や地域とのつながりも深まるでしょう。それによって父親の人生に広がりが生まれ、日々の充実にもつながるに違いありません。

プロフィール

吉田大樹

吉田大樹

1977年東京生まれ。「労働安全衛生広報」「労働基準広報」(労働調査会発行)記者を務めた後、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事や、内閣府「子ども・子育て会議」委員を歴任。現在は、労働・子育てジャーナリストとして活動するかたわら、グリーンパパプロジェクト代表を務める。厚生労働省「イクメンプロジェクト推進委員会」メンバー。3人の子どもを育てるシングルファーザーでもある。

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