子どものために知っておきたいマイナンバー入門【トラブルが起きたら】

各家庭に届いたマイナンバー。この取り扱いをことさらに恐れる必要はありませんが、既にマイナンバーに関連したトラブルが起こっているのも事実。こうしたトラブルを回避するには、正しい情報を把握しておく必要がありそうです。税理士の酒井麻子さんに詳しいお話を伺いました。

■保護者とお子さんを狙ったトラブルも

マイナンバーに関しては、悪質なトラブルが起きていることも事実です。たとえば「お子さんのマイナンバーが漏れましたが、◯◯円支払えばストップできます」「現在お子さんのマイナンバーを狙う事件が相次いでいるので、◯◯円でセキュリティーを強化しましょう」など、保護者を狙った電話やメールが来るといった、お子さんのマイナンバー漏出に対する恐れをついた詐欺が横行しているのです。マイナンバーにまつわる金銭の要求には絶対に応えないようにしましょう。

■マイナンバーをなくしてしまったら?

万が一マイナンバーを忘れたりなくしたりしてしまったらどうしよう……と、心配されるかたもいらっしゃるかもしれません。そのような場合には、住民票を取り寄せ、その際に「個人番号(マイナンバー)付き」のものを申請すれば、自身やお子さんのマイナンバーが付いたものが交付されるので、そちらで簡単に確認ができます。
ただし、マイナンバーは生涯変わらないものとされているので、どこに落としたかわからないから番号を変えてほしいと思っても、基本的に変更はできません。

■どんどん制度が変わる可能性があるマイナンバー制度

現在は、「社会保障・税・災害対策」の3つのカテゴリーの情報を管理しているマイナンバーですが、今後は管理情報を増やしていくといわれています。
導入可能性が高いのは、銀行情報のマイナンバー管理。預金口座を作る際に、マイナンバーが必要になるということです。お子さんの口座を新しく作る際に、マイナンバーが必要になる日も近いかもしれません。
また、現在文部科学省で審議されているのは、「所得連動返還型奨学金制度」です。マイナンバーで個人の収入が管理されるので、収入に応じて奨学金の返還金額を決定しようと検討されています。この新制度が導入されれば、奨学金を借りる際にマイナンバーを記入することが求められるようになるでしょう。

先に導入された海外の事例を見てみると、たとえばアメリカでは大学入試の願書を作成する際にマイナンバーを記入します。つまり、学歴の管理などもなされる可能性があります。また、韓国では病院でマイナンバーを伝え、医療費もマイナンバーで管理していることから、日本でもそうしていこうという提案が出されています。

マイナンバー制度は始まったばかりですが、今後も新たな機能がどんどん盛り込まれていく可能性があります。最新情報は、総務省などのホームページで確認しましょう。

  • ※総務省 マイナンバー制度について
  • http://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/01.html

■マイナンバーのことで困った時の相談先は?

もしもマイナンバーのことで何かあった場合には、次のようなところに相談をしてみてください。

●市区町村の行政窓口
●税理士、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家

税理士と社会保険労務士は、マイナンバーを管理する専門家です。また、ファイナンシャル・プランナーは家計にコミットしているかたが多いので、そういったかたに相談するとご家庭に寄り添ったアドバイスを受けることもできるでしょう。

発行されたばかりのマイナンバー。今後制度がどう充実していくのか、まだ不透明な部分も多いです。「一つひとつの制度変更はとても追いきれない」と感じるかたは、お子さんが進学した、就職した、などの節目ごとにマイナンバーがどう関わってくるのか最新情報からチェックしていくことをおすすめします。

プロフィール


酒井麻子

酒井税理士事務所、代表税理士。次男が8か月の時に税理士として独立した経験から、働く母親や自営業の女性向けに数多く講演を行う。開業サポートや経営支援のほか、マイナンバーの理解を促す取り組みも実施している。

お子さまに関するお悩みを持つ
保護者のかたへ

  • がんばっているのに成績が伸びない
  • 反抗期の子どもの接し方に悩んでいる
  • 自発的に勉強をやってくれない

このようなお悩みを持つ保護者のかたは多いのではないでしょうか?

\そんな保護者のかたにおすすめなのが/
まなびの手帳ロゴ ベネッセ教育情報サイト公式アプリ 教育情報まなびの手帳

お子さまの年齢、地域、時期別に最適な教育情報を配信しています!

そのほかにも、学習タイプ診断や無料動画など、アプリ限定のサービスが満載です。

ぜひ一度チェックしてみてください。

子育て・教育Q&A