偏差値世代の保護者が気をつけたいこと

2020年の教育改革に向けて、中学受験の入試問題もまた変化を迎えようとしています。偏差値世代でもある保護者のかたに気をつけてほしいことについて、森上教育相談所がお伝えします。

震災による「ブロック化」の影響を受けた今年の大学入試

首都圏上位層の大学受験から遡ってみると、今年の東大を受験したのは、7年前の中学受験のときに小学校5年生で東日本大震災を経験した子どもたちです。彼らは、震災の直後の4月に6年生になり、続けて勉強するという相当意志の強い子どもたちといえます。

その東日本大震災のとき、中学受験では「ブロック化」が起こりました。通学の安全性を重視して、神奈川在住の子が東京の学校の受験を避け、東京在住の子もまた神奈川の学校を受験しなかったのです。

具体的には神奈川では聖光学院、栄光学園、浅野という中高一貫校の存在感がぐっと出ました。東京では、開成と麻布に人気が集中し、二番手の駒場東邦や開城に人気が行き渡りませんでした。
来年は同年代の浪人生も受験もするでしょうし、震災の影響からのブロック化、近場受験の年代はあと3年ほど続くと私は考えています。ですから、向こう3年の東大合格についても、ブロック化の時の実績だということを頭に入れておいたほうがいいでしょう。

中学入試でも「本当に理解しているか」を問われるように

現在、中学受験を控えている保護者のかたは、偏差値への思い入れが非常に強い世代といえます。中学受験も高校受験も、偏差値が低いよりは高いほうを選ぶのが当然という傾向が強いように感じますが、これからの社会で求められる資質の変化に伴い、偏差値という価値だけでは測れない力が求められているのも事実です。

実際に、2020年の教育改革では、センター試験や学習指導要領も生まれ変わり、今まで知識偏重だった学力の測り方も、思考力や判断力、表現力に重きを置くようになります。こうした流れは大学入試だけにとどまらず中学受験の入試問題にも起きます。たとえば、算数でいうと、単純な計算問題や明確に単元がわかるような問題ではなく、よく考えなければ時速の問題であることはわからないような、まずはなんの問題なのか発見できるか試すような問題が増えるのです。これらは、暗記でなんとかなるような小手先のものではなく、「本当に理解しているのか?」を問う問題といえるでしょう。

ただ、いたずらに不安になる必要はありません。日本の子どもは与えられた問題を解く「問題解決力」は世界の中でもトップクラス。今までやってきた勉強のやり方を少し変えて、何を問われているのかを発見する「問題発見力」を養う練習をすればいいのです。「速さの問題なんだ」というところまでアクセスできさえすれば、きちんと問題を解くことができます。
こうして、社会で求められる力の変化に伴い、偏差値に一元化されてきた価値も見直されつつあるということも、念頭に置いておくといいでしょう。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(1977年に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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