産業界とも連携 「専門職大学・短大」が誕生

2019年4月から、新しいタイプの大学・短大として「専門職大学・専門職短期大学」制度がスタートします。専門職大学(4年制)13校、専門職短大(2年制または3年制)3校が文部科学省に設置認可を申請しており、秋にも認可が行われる見通しです。
専門職大学・専門職短大とはどういうもので、通常の大学とどこが違うのでしょうか。文部科学省の澁谷秀行・高等教育局大学改革官に聞きました。

10~20年後の変化にも対応できる実践力・創造力を養成

例えば、今ではホームページなどの制作・デザインを行うWebデザイナーになりたい子どもは少なくないと思いますが、私が子どもの頃は、自宅からインターネットにつながる時代ではなく、webデザイナーという仕事も存在しませんでした(笑)。

昔なかった職業が次々と生まれる一方で、昔あった職業が消えたり、仕事のやり方が大きく変わっていく、そのスピードは今後ますます速まるでしょう。こうした中で、大学などの高等教育機関には、知識・技能を修得する能力だけでなく、学んだ知識・技能を実践・応用する力、さらには変化に対応して新たなモノやサービスを作り出す、豊かな創造力を持った人材の育成が求められているといえます。

一方で、大学とひとくちに言っても、世界的な研究・教育拠点、医師など高度専門職業人の養成、幅広い職業人の養成、総合的な教養教育など様々な機能・特徴がありますが、高等教育進学率が上昇し、大学を出て就職する方が少なくない中で、大学教育の中でより実践的・創造的な職業教育を行うことへのニーズが高まっています。
専門職大学・専門職短期大学は、こうしたニーズを踏まえ、産業界と連携して教育課程を編成し、実習等を強化し、実務家教員を大幅に増やすなどにより、高度な実践力と豊かな創造力を有する職業人材を育成する、新しいタイプの大学・短大として誕生します。

職業教育で強みを発揮してきた教育機関としては、専門学校(専修学校専門課程)が既にあります。特定職種の実務に直接必要となる知識や技能の教育を通して、「即戦力」となる人材を社会に送り出してきました。専門職大学・短大は、このような専門学校教育の長所を大学教育の中に取り入れつつ、実践を裏打ちする理論の学修や専攻する職業に関連する他分野の学修により、応用力も育成します。

例えば、情報系の学科であれば、プログラミングやネットワーク技術に係る資格取得にとどまらず、統計やデザインの科目とか、将来の起業に向けたマネジメントやマーケティングなど経営の科目も学ぶ。調理関連の学科であれば、調理技術の習得にとどまらず、農業や環境、飲食店経営などの科目も学ぶといったように。高度な実践力を強みとして専門業務を牽引しつつ、数十年にわたる職業人生の中で変化に対応して新たなモノやサービスを創り出していけるような、豊かな創造力を兼ね備えた人材に育てます。

産業界と連携、インターンシップも多く

専門職大学・短大の教育上の大きな特色は、産業界等との連携です。
まず、授業科目のおおむね3分の1(4年制大学で40単位)以上は実習等となっています。さらにそのうちの半分(4年制大学で20単位=約600時間相当)は企業等での実習(臨地実務実習)を行います。教員についても、専任教員の4割以上を企業等で実績を重ねた「実務家教員」とすることを義務付けており、学内でも実践的な知識・技術を学ぶことができます。

授業科目については、全体の約半数が職業専門科目となっており、特定の職種に必要な知識・技術を理論と実践の両面から集中的に学びます。これに加えて、基礎科目、展開科目(関連する他分野の応用的な学修等)、総合科目がバランス良く配分されます。こうしたカリキュラムの開発・編成・実施については、産業界や地域の有識者で構成される協議会(教育課程連携協議会)で審議することになっています。
また、一般の大学・短大の一部の学科で、専門職大学・短大と同様に実践的かつ創造的な職業教育を行う「専門職学部・学科」についても、2019年4月からスタートします。(談)

※専門職大学・専門職短期大学・専門職学科の制度について(文科省ホームページ)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmon/index.htm

※2019年度開設の認可申請を行った専門職大学・短大の一覧(平成29年11月末申請の大学等の設置認可の諮問について)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1399756.htm
※2019年度開設の専門職学科の認可申請は、3月受付予定のため未公表。

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