大学入試でも評価の対象に? [中学入試]

2020年度からの大学入試改革については、一般入試の筆記試験がどう変わるかということや、英語の外部検定導入が話題になりがちです。しかし、ここで注目したいのは一般入試でも重視される「主体性評価」です。
今回は、「主体性評価」と、その中の重要な要素となりそうな課題研究と志望校選びについてお話しします。

一般入試でも「主体性」「協働性」を評価

2017年7月に発表された、文部科学省の決定(「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」)には、従来の一般入試、AO入試、推薦入試の変更点について述べられています。その概要について見てみましょう。
まず、名称が一般入試から「一般選抜」、AO入試から「総合型選抜」、推薦入試から「学校推薦型選抜」と改められています。「入試」から「選抜」への変更には、各大学のアドミッションポリシー(入学者受け入れの方針)に従って、大学が求める人材を選抜するという意味が込められているといえるでしょう。

各選抜において見直されているのは、「学力の3要素」(「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)のバランスです。
一般入試(一般選抜)では、筆記試験だけでなく、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」をより積極的に評価するため、調査書や志願者本人が記載する資料等の積極的な活用を促す、とされています。一方、AO入試や推薦入試では、調査書等の出願書類だけでなく、各大学が実施する評価方法や「大学入試共通テスト」のうち、少なくともいずれか一つの活用を必須化するとしています。一般入試でも「主体性」を、AO・推薦入試でも「知識・技能」を問うことにより、学力の3要素をバランスよく見ようということです。
この「主体性評価」をどのように行うか、大学等では研究と模索が続けられています。上記「予告」にもあるように、調査書と同時に「志願者本人が記載する資料」(活動報告書)も選抜に活用されることとなりそうです。

高校で取り組んだ「課題研究」も評価の対象に

文部科学省が公開している「活動報告書」のイメージ例には、学内での活動内容(「総合的な学習の時間」、部活動、生徒会活動等)、学外での活動内容(ボランティア活動、各種大会、コンクール、留学、海外経験等)と並んで「課題研究等に関する活動」についての記載欄があり、課題研究のテーマを選んだ理由や、概要・成果について書くこととなっています。

課題研究は、おもに高校の「総合的な学習の時間」で取り組まれていますが、その内容や指導には学校によってかなりばらつきがあります。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)やSGH(スーパーグローバルハイスクール)には、様々な課題研究の成果を公開しているところが多いようです。尚、2020年度以降は、現在SSH等で設置されている科目「理科探究」を参考にした「理数探究」という新科目が、SSH以外の高校でも設置される見通しです。

課題研究に注力している学校に志望者が集まる傾向

このように、自分の興味・関心に従って自ら探究してゆく力は、今後ますます重視されると考えられます。そのため、中学入試でも、課題研究やアクティブ・ラーニングに力を入れている学校に志望者が集まる傾向があります。
また、ここ数年大学付属校に志望者が集まる傾向があります。その背景として、系列大学への進学に有利というだけでなく、系列大学の研究のノウハウを活用した課題研究指導を行いやすいという利点もあるようです。

次回は課題研究に注目した志望校選びについて、もう少し詳しくお話しします。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(1977年に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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