合同説明会の上手な利用法 [高校受験]

6月ごろから、全国で高校の「合同説明会」行われ始めます。そこで、上手な参加の仕方についてお話ししましょう。

合同説明会のよさは「気軽に」「比べて見られる」こと

合同説明会には、各都道府県の私学協会が主催するもの、塾団体主催のもの、地域の公立校と私立校が合同で行うものなど、さまざまな種類があります。合同説明会のよさは、気軽に参加でき、複数の学校を比べて見られること。視野に入っていなかった学校の中から、お子さまにぴったりの学校を発見できるかもしれません。

参加の前に下調べを

大規模な合同説明会を下調べなしで見て歩くと、具体的な情報を何もつかめないことになりがちです。参加の前には、地図などを参考に通学圏内の学校についてざっと頭に入れ、受験案内や各校のホームページを見て、ブースを訪れる学校をある程度絞り込んでおきましょう。同時に、先生に直接質問したいことをノートに書き出しておくといいですね。

会場の上手な回り方

入り口で場内の案内図を見て、目当ての学校のブースをどう回るか、だいたいの動線を決めておくと効率的です。興味のある学校があまりにも混雑しているようでしたら、個別の学校説明会など、別の機会を利用して訪れるほうがよいでしょう。時間に余裕があれば、ぜひ場内をぐるっと歩いて、気になる学校、人気のありそうな学校のブースをのぞいてみてください。

資料からはわからない「考え方」や校風をつかむ

現場の先生に直接質問できる機会ですから、大学合格実績など、資料を見ればわかる数値的なことより、その学校の教育方針や校風が我が子に合っているかどうかの手がかりをつかむことが大切です。そのためには、「進路指導はどんなふうに行っているのですか」「英語教育に力を入れているそうですが、どのように?」など、具体的に聞いてみるとよいですね。

また、保護者のかたばかりが質問せず、なるべくお子さまに主導権をもたせることが大事です。部活動や盛んな学校行事、お昼はお弁当を持っていくのかなど、お子さま自身が気になることを尋ねていくと、その学校の雰囲気がわかってきます。

先生がたの雰囲気、パンフレットや掲示物からわかること

各校の校風は、先生がたの雰囲気や服装にもどことなく表れます。企業人に近いはきはきとした先生が多い学校、控えめだけれどアカデミックな印象が強い学校……。それらは、学校が培ってきた文化の違いともいえます。また、ポスターやパンフレットに掲げられているキャッチコピーからも、その学校が何をいちばん大切にしているかが読みとれます。

あえて難易度の高い学校のブースも訪れてみよう

興味のある学校なら、難易度が高くてもぜひ気軽にのぞいてみましょう。難関校や伝統校の中には、部活動や学校行事も盛んで、独特の学校文化が花開いているところも多く、お子さまがそういった雰囲気にあこがれてやる気を出すケースもあります。合同説明会は、お子さまのモチベーションを高めるきっかけにもなるのです。

子どもの「第一印象」を大切に

合同説明会に参加したあとは、先にご自分の感想を言わず、まずお子さまの感触を聞いてみてください。保護者のかたとお子さまでは、気づくポイントが異なります。親子で各校の印象を話し合い、その内容を整理してノートに書き留めておくと、志望校の最終決定で迷った際、よい判断の目安になります。

志望校の候補を絞り込んだら、各校の個別説明会に必ず行ってください。教育の基本理念についてじかに校長先生の話を聞き、学校の環境や文化を感じとることが大切です。その学校で、お子さまがいきいきと成長していく姿を想像できれば、そこがお子さまに合った環境である可能性は大きいでしょう。

(筆者:安田 理)

プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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