どう生かす? 模擬試験 [中学受験 6年生]

6年生に進級し、最初に受けた模擬試験の結果が気になっている保護者のかたも多いことと思います。模試や塾の月例テストを、受験勉強によりよく役立てる方法についてお話しします。

■テストは学力を「測る」より「伸ばす」もの

模試は「学力を測るもの」ではありますが、「模試の結果=実力」と思わないでいただきたいですね。模試はむしろ、「学力を伸ばす」のに非常に役立つものです。模試の点数を見て落ち込んだり喜んだりするだけ、というのは最もよくない利用法です。

■正答率の高い問題だけに注目して「マル」を増やしていく

まず知ってほしいのは、模試で出題されるすべての問題ができるようになる必要はないということ。正答率が5割以下の問題は、入試に出ないことはありませんが、解けなくて構いません。5割以上の問題を全問正答できるようにすることが、正しい努力の方向です。
ですから、子どもが確実にできそうな、正答率の高い問題だけに注目し、テストのたびに記録を付けるといいですね。その問題が全部できていれば花マル、8割できていれば二重マル、というふうに。できなかった問題については、次回はできるようにしっかり復習すること。そのように、公開模試や月例テストのたびに、マルが増えていく楽しみを味わわせてあげましょう。

■偏差値はあくまで参考と「割り切って」見る

偏差値は便利なものですが、子どもの気持ちを「冷ます」効果があります。「きみの実力はせいぜいこのくらいだよ」と、数字が伝えているように思わせるからです。それで目を覚まして勉強するならいいのですが、数字がよくない場合、子どもを落胆させる効果のほうが大きいと思います。
ですから、保護者のかたは、偏差値とは便宜上のものと割りきり、「あくまで参考」くらいのつもりで見るべきです。それより、正答率の高い良問を、しっかり復習させるほうが数倍大切です。

■余裕があれば、前年度の問題で「予習」を

さらによい活用法は、模試や月例テストの前に、前年度の同時期に行われたテスト問題に取り組んでみて「予習」すること。
すると、テスト前にあらかじめどんなことが問われるかがわかり、要点が頭に入りますので、脳への定着がさらによくなります。事前テストをすると実力が伸びるということが、近年既に実証されています。塾によっては、過去のテスト問題が問題集として販売されていますので、ぜひ活用してください。

■模試の問題を利用する

模試の問題には、考え抜かれた良問も多いので、ぜひ活用したいですね。たとえば、算数で「これはできるようになりたい」という面白い問題があれば、て丁寧に復習して考え方を身に付ける。国語の問題文で、お子さまが気に入ったものがあれば全文を読んでみる。模試は、読書のよいきっかけにもなるんですね。

「できた」「できない」より、丁寧に復習して今後の課題と学習のきっかけを見つけることが、模試でいちばん大切なことです。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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