医学部志望のキミに! 医学部入試の基礎知識

近年、医学部をめざす高校生が増えています。医学部入試は一般的に難易度が高いことが知られていますが、それ以外にも他学部にはない特徴があります。この記事では医学部入試の基礎知識について解説します。


医学部の入試では高い得点率が求められる

 医学部入試が、あらゆる学部系統の中で最も難易度が高いといわれています。その理由の1つとして、求められる得点率の高さが挙げられます。例えば、2015年度入試における千葉大の医学部医学科(一般・前期)の合格最低得点率は約72.8%。同大学の他学部の場合、60%前後の学部が多く、医学部医学科で求められる得点率が非常に高いことがわかります。しかも、この数値は合格者の最下限値。安全圏に入るためにはセンター試験で90%前後、2次試験で70%程度の得点をめざす必要があるでしょう。

 

また、医学部は他の学部系統と比べて、倍率が高い傾向が見られます。定員に対して多くの受験生が志願するということは、わずかな得点差が合否に影響する可能性が高いということ。苦手科目での失点が決定的な差になり得るので、いかに苦手科目・苦手分野をなくしていくかが重要になります。

 

 

他学部と比較して、医学部では面接や小論文が課される場合が多い

 国公立大の医学部入試は、多くの場合、2次試験で面接が課されます。この背景には、医師としての倫理観や人間性、適性を重視したいという大学側の考えがあるようです。それに加えて、「将来、医師として医療現場に立つ時に、他の医療スタッフや患者とのコミュニケーションが重要になるから」という理由もあるでしょう。

 

面接では「志望理由」や「卒業後の進路」「医師としての倫理観についての考え」「医療に関する社会問題に関する考え」などがよく問われます。大学によってはグループ面接や集団討論の形式で行われることもあります。

 

また、中には推薦入試や後期日程で小論文を課す場合も。小論文で出題されるテーマとして、先端医療分野のテーマ(例:臓器移植やヒトゲノム)や、医師としての倫理観を問うテーマ(例:ターミナルケア)、医療に関連した社会問題に関するテーマ(例:少子高齢化、へき地医療)などが挙げられます。どのようなテーマでも、深い知識と高い理解度を問われます。

 

 

医学部の定員は増加傾向にあるが、厳しい倍率は変わらない

 近年、政府の方針によって、医学部の定員が増えています。2007年度には約7600人だった全国の医学部の定員が、2015年度には約9100人まで拡大しました。この背景には、地域医療に従事する医師の不足や小児科医・産科医の不足を解消する目的があります。そのため、増加した定員の多くは、医師になった後、指定された地域で一定期間勤めることが条件になる「地域枠」です。

 

医学部全体の定員が増えているため、一見するとハードルが下がったような印象を受けますが、一般入試の定員はあまり増えていないうえに、医学部志願者は増えています。医学部に入りやすくなったというわけではないのです。

 

 

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