子どもと一緒に未来を描く! 家庭でできる「高校生のキャリア教育」(前編)

子どもが家庭で過ごす時間が普段よりも多くなる夏休み。いつもはじっくり向き合って話をする時間がないご家庭も、この夏休み、お子さまと「これからの進路」についてじっくり話し合ってみませんか。秋以降の学習のモチベーションアップにつながるかもしれません。


キャリア教育にも、保護者だからできるサポートがあります

 高校生の夏休みは部活や補習などでなかなか多忙です。さらに、短期留学を経験したり、ボランティアなど、普段とは違った活動に参加したりするお子さまもいるはずです。そんな夏休み、保護者のかたにぜひ心にとめていただきたいのが、これからの進路について話し合うことの大切さです。

 

ここで言う「進路」は、大学・学部・学科選びなどの進路選択も含みますが、それだけにとどまらず、「どんな仕事に就きたいか」「どんな家庭を築き、どんな生活を送りたいか」「どんなふうに社会に貢献したいか」といった生き方を含む、中・長期的な進路です。

 

高校の中には「キャリア教育」と銘打って、総合的な学習の時間やロングホームルームなどを使って生徒が「どのように人生を生きるか」を考える活動を行っているところがあります。ただ、「どのように人生を生きるか」は、数コマの授業に参加してすぐに答えが出るようなものではありません。学校の授業で、先生やクラスメートと話し合うことと並行して、家庭でも「どのように生きるか」を考える場をつくることが大切です。

 

「高校生だから自分のことは自分で決めればよい」と考える保護者のかたもいるかもしれませんが、社会経験の少ない高校生が自分の頭の中だけで生き方を考え、選んでいくことは簡単ではありません。最終的に決めるのはお子さま自身であっても、考える機会をつくってあげることは保護者だからできるキャリア教育のサポートなのです。

 

 

キャリア観、進路意識が入試でも問われます

 最近の大学入試では、受験生がどんな目的をもって大学に進学しようとしているのかをさまざまな方法で見ようとしています。東京大学や京都大学では、2016年度入試(現在の高校3年生が受験する入試)から、それぞれ「推薦入試」「特色入試」を新たに導入します。

 

どちらの大学でも、大学で学ぶ内容を深く理解し、強い志望理由をもっていることが求められます。日本を代表するトップ大学でも、学んだことを自分の人生にどう生かしていくのかを語ることが合格に欠かせない入試を導入するというわけです。

 

また、高知大地域協働学部のように、一般入試で「志望理由書」を課す新しい動きも始まっています(従来は推薦入試やAO入試のみで課すことがほとんどでした)。何のために学ぶのか、学んだことを自分の人生の中でどう生かしていきたいかを語る力が大学入試でも求められるようになっています。

 

 

時間のある夏休みだからいろいろな形で話し合えます

 キャリア観、進路意識が入試でも問われるようになっていることは、逆に言えば、大学に入学した時点で、子どもたちのキャリア観や進路意識が十分に醸成されていないということです。大学での学びを充実したものにするためにも、「どのように人生を生きるか」を高校時代からしっかりと考えることが大切です。

 

普段よりもお子さまと向き合う時間の多い夏休み、お子さまと「どのように人生を生きるのか」を語り合う絶好のチャンスです。ただし、真正面から「どう生きたいのか?」と聞いてもなかなか答えられませんし、雰囲気も重苦しくなってしまうかもしれません。むしろ、「答え」を直接尋ねるような聞き方ではなく、「楽しいこと」「知りたいこと」「挑戦してみたいこと」などを話題にしながら、「なぜそれが楽しいのか、知りたいのか」と掘り下げていくことをおすすめします。

 

雑談のように自分の興味を語る中で、お子さま自身が自分の考えを整理することができます。「自分の考えを文字や言葉にしてみる」ことは、キャリア教育では非常に重要で、なおかつ時間のかかる作業です。だからこそ、夏休みに保護者のかたに心にとめていただきたい、というわけです。

 

後編では、夏休みの具体的なシーンを挙げながら、どのようにお子さまと「生き方」について語り合うのかを考えます。

 

 

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