子どもと一緒に未来を描く! 家庭でできる「高校生のキャリア教育」(後編)

夏休み、お子さまと「これからの進路」についてじっくり話し合ってみるチャンスです。でも、お子さまを問い詰めたり、「答え」を求めたりすると、雰囲気が重苦しくなりかねません。気軽に雑談のように会話しながら、お子さまの考えを深めていきましょう。


テレビ、新聞を見ながら、保護者も思いを語る

 「どのように生きるか」を考えるキャリア教育ですが、お子さまに「どのように生きるか」と真正面から問い詰めても、お子さまの本心からの答えはなかなか出てきませんし、そもそも答えにたどり着くまでに相当の時間がかかります。保護者のかたには、時間のある夏休み、お子さまが生き方を考えるような問いかけを、家族の時間の中につくることを心がけていただきたいものです。

 

家庭で過ごす時間の多くなる夏休み、テレビや新聞記事を題材にお子さまと話すことで、お子さまの視野を広げたり、興味・関心を深めることができます。ただ、気をつけたいことは、「どう思う?」と保護者のかたが質問ばかりしないようにすることです。もちろん、お子さまによっては「このニュース、知ってた?」「どうすれば解決すると思う?」などと質問すれば、自分の考えを隠さず話してくれるでしょう。しかし、普段、時事的テーマについて語り合うことが少ない家庭では、最初のうちは会話がうまく展開しないこともあります。

 

そんなときはお子さまに質問ばかりするのではなく、保護者のかたが自身の思いや考えを語ってみることです。お子さまの反応は「ふーん」といった程度の素っ気ないものかもしれませんが、部屋で一人になったときなどに「親の価値観」をじっくりと反すうするものです。お子さまの言葉を引き出そうと焦ることなく、質問だけでなく、保護者のかたも一人の社会人として自分の意見を述べてみることで、お子さまの価値観を豊かにし、キャリアを考える土台を築いていきます。

 

 

夏休みのイベントを利用してキャリアを考える

 夏休みには、オープンキャンパスや大学の公開講座、博物館や美術館の催し物など、高校生が自分の興味・関心を掘り下げたり、視野を広げたりするのに格好のイベントがたくさんあります。お子さまにこうしたイベントへの参加を促すのもキャリア教育の一環として重要です。

 

イベントを利用する際に大切なことは、「イベントを、単発のイベントで終わらせない」ということです。例えば、オープンキャンパスは、高校生にとって大学生になった自分をイメージさせるチャンスですが、オープンキャンパスに参加した大学のことを知るだけでなく、他の大学のことを調べて比較し、より自分に合った進路を考えることが大切です。

 

しかし、現実にはそうした高校生ばかりではなく、オープンキャンパスに参加した大学にしか目が向かないこともあるようです。イベントに参加することも大切ですが、それ以上に、イベントのあとにお子さま自身が自らの感動や気づきを振り返ってみること、つまり内省の時間が重要なのです。

 

オープンキャンパスなどのイベントに参加したお子さまには、ぜひ保護者のかたから「何を見聞きしたか」をたくさん聞いてあげてください。お子さまの話すイベントの内容を保護者のかたもおもしろがりながら、「なぜあなたの心にそれが響いたのだろうか」「もっと他におもしろいものはないだろうか」とイベント後の自分につながるような言葉を投げ掛けてみてください。

 

答えはすぐには出なくてもかまいません。イベントから1週間、1か月と経ってから、イベントの内容を思い出しながらまた問い掛けてみてはどうでしょうか。お子さまの心に、次の興味・関心につながる「種火」を消さないことが大切です。

 

 

聞いていないようで、じつはたくさん心に届いている

 お子さまと語り合うこと、お子さまの言葉に耳を傾け、お子さまに保護者のかたが一人の大人として自分の考えや思いを伝えることは、キャリア教育の土台づくりにつながります。ただ、この年代のお子さまは、保護者のかたに対してあまり多くを語らなかったり、保護者のかたの言葉にも素っ気ない反応しかしなかったりすることは珍しくありません。

 

保護者のかたにぜひ心にとめていただきたいのは、お子さまは、保護者の言葉は聞いていないようでじつはしっかり聞いているということです。表情も変えず、視線もしっかり合わせないお子さまに「聞いているのか?」と思うかもしれませんが、聞いていないようで聞いているのがこの年代なのだと、お子さまに言葉が届いていることを信じてください。

 

保護者のかたの言葉がお子さまの中でいつ、どのように、「これからの生き方」につながっていくかはわかりませんが、時間のある夏休みだからこそ、「いつか子どもの気づきにつながればいい」と気長に考えて、お子さまとのちょっとした会話を楽しんでいただきたいと思います。

 

 

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