2014年私立中学入試の予想[中学受験合格言コラム]

2014年の私立中学入試はどのようになるのだろうか? 未来を予想することは、たとえ来年であっても難しいが、過去の傾向から予想できることもある。また、受験生として最も気になるのは、来年の入試難易度の動向だと思うので、これまでの情報から受験者数の傾向くらいは予想しておきたい。新学期が始まれば、合同説明会の参加者数や大手の模擬試験における志願者数の動向で、志望校の難易度がどうなるかについての予想も、より明確になると思う。

2014年私立中学入試の予想[中学受験合格言コラム]


首都圏の2014年中学入試は、公立小学校卒業生数が横ばいとなることから、受験者数の増減は、景気の動向によるものになると思われる。景気がこのままの状況であれば、受験者数の減少は、収束する前兆が昨年より多いことから、横ばいになる可能性が高いだろう。景気がさらに悪化すれば受験者数は減少し続けるであろうが、景気がよくなれば受験者数は増加に転じそうだ。しかし、急激に増加することはないだろう。なぜなら、中学受験には2~3年程度の準備期間が必要で、景気がよくなったからといって、1年間で中学受験準備をしようというわけにはいかないからである。

ここでは、いくつかの要素で受験者数前年対比を分類し、過去の推移から傾向を調べ、2014年中学入試においても続くと思われる傾向や兆候を見つけて予想する。

受験者数前年対比を学校難易度、所在地、学校種別、付属校・進学校・半付属校の要素で分類して、その推移から受験者数の動向を探る。

図1では、2013年の受験者数前年対比は埼玉を除く所在地で、ほぼ同じ数値になっており、2014年も同様に推移することが予想できる。つまり、どの所在地でも受験者数は、同じ率で増減すると考えられる。



2014年私立中学入試における学校難易度別の動向を予想する。図2から、このままの状況が続けば、学校難易度の傾向から、難関上位校よりも中下位校の受験者数減少率が高くなるという二極化傾向は、緩和してきてはいるが、2014年私立中学入試でも続くと予想される。景気がさらに悪化すれば二極化はより顕著になるはずだ。しかし、景気が回復しても、すぐには二極化がなくなるとは思えない。



図3では、2013年私立中学入試では、男子校・女子校・共学校とも前年対比がほぼ同じ数値となり、2014年でも、受験者数前年対比は2013年同様に推移すると予想できる。つまり、学校種別にかかわらず、受験者数は、同じ率で増減すると予想できる。




図4を見ると、付属校は不況の影響を大きく受けるので、2014年私立中学入試では、不況が回復していけばこれまでの反動で受験者数前年対比は改善するが、不況が継続すれば受験者数前年対比も横ばいになると予想できる。半付属校は、大学入試が易しくなっている現状を考えると、受験者数は減少傾向になると予想できる。進学校も付属校と同じように、景気の影響を受けるが、付属校ほど振れ幅は大きくないと考えられる。





<各図の表記>
●表示:受験者数が比較的多い:前年対比(前年対比が100%以上)、※増減率(2013/2009が90%以上)
受験者数が比較的少ない:前年対比(前年対比が90%未満)、※増減率(2013/2009が70%未満)

●学校難易度:四谷大塚偏差値
A…65以上、B…64~60、C…59~55、D…54~50、E…49~45、
F…44~40、G…40未満、
●半付属校:系列校大学推薦進学が30%~69%
進学校:同30%未満 附属校:同70%以上


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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