どんな家庭・子どもが公立中高一貫校に向いているの?

■志望校の特色を理解している家庭・子ども

公立中高一貫校は平成11年度に制度化されました。まだまだ新しい教育制度なので、どんな学校なのか、どんな家庭・子どもに適しているのかなど、わかりづらいかもしれません。まずは公立中高一貫校について手短にご説明しましょう。

公立中高一貫校は、無選抜でエスカレーター式に高校に進学できる、6年制の学校です。高校入試がないため、中学と高校で教える科目の内容で相互に関連するものの一部を入れ替えて体系的に指導したり、高校の指導内容の一部を中学校で教えたりすることが特例として認められています。学校が教育方針に合わせて独自のカリキュラムを設定することができるのです。そのため、中学から高校までの6年間で計画的な教育を受け、幅広い教養と知識を身につけ、大学進学だけでなく自分に合った進路を考えることができます。

中学・高校6年間でかかる学費(私立と公立の比較)しかも、中学校にあたる前半の3年間は公立中学校と同様の扱いで、授業料は無料。後半3年間の授業料は公立高校と同額です。つまり、公立中高一貫校に支払う学費は公立中学・公立高校に進学する場合と同額程度ということになります。表のように、私立よりも学費が少なくてすむので、経済的な理由で私立進学に二の足を踏んでいた家庭でも、選択の幅が広がりました。

このような魅力ある公立中高一貫校ですが、入学するには独特の選抜があります。多くの学校では、小学校での成績や学習態度などを記入した「報告書※」と、小学校で学習した内容を使いこなして問題を解決する力を問う「適性検査」で判定されます(判定材料は学校や年度によって異なります。面接を課す学校もあります)。この選抜で学校が重視しているのは「教育方針や校風を理解して志願しているか」「6年間がんばることができるだけの基礎学力と意欲があるか」。それがクリアできれば合格となるわけです。


※「報告書」の名称・内容は、地域・学校によって異なります。

■教育を学校まかせにしない家庭

中高一貫校にかぎらず、公立学校の根底には「地域―学校―家庭の三者が協力しあって、よりよい教育をめざす」という考え方があります。ですから「子どものことは学校にまかせる」「勉強を見るのは面倒」というような家庭は向かないでしょう。実際、公立中高一貫校では入学後も、授業参観、運動会、保護者会、PTA活動などの機会に保護者のかたが参加する率が高いそうです。過保護や過干渉とは違いますが、常に子どもを見守ることのできる家庭が、公立中高一貫校向きといえます。

公立中高一貫校の教育が重視しているのは、いわゆる「勉強ができること」ではなく、「社会のために何ができるか、周りのひととどう共に生きていくかが考えられること」です。主体性・協調性・社会性・正義感のある、知徳体のバランスのとれた子どもを育てようとしています。それは学校だけではなく、地域―学校―家庭で育成されるもの。このような考え方に賛同できるかどうかも重要です。


■主体性・社会性・協調性・正義感のある子ども

「社会のために何ができるか」、「周りのひととどう共に生きていくかが考えられること」が重要なので、日頃から「みんなの意見をまとめるには、どうしたらいいだろう」、クラスの中で困っている子がいたら「自分に何ができるか」と考えられる気持ちが大切です。周りの人に貢献しようという気持ちがない、「自分さえよければ、他はどうでもいい」と考える子どもは、たとえ合格できても、その子に合った学校生活が送れないかもしれません。


■子どもの可能性を伸ばす良質な環境

公立中高一貫校は、私立中高一貫校に決してひけをとらない、良質な教育を提供しています。私立のような潤沢な資金がないのに、なぜそれが可能なのでしょうか。そのカギもまた、地域―学校―家庭の協力関係にあります。地域の企業や大学などの協力を得たり、地域の文化や自然を活用したりして、各学校は特色ある取り組みをおこなっているのです。「地域ぐるみで、社会に貢献できる人材を育成する」と聞いて「魅力的!」と思えるならば、公立中高一貫校をめざしてみてはいかがでしょうか。


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