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数の理解

数の読み書きや、数の理解のために、こんな工夫をしました

初めてづくしの小学校スタートにあたり、簡単な計算だけでもできるといいなと思っていました。

H.Nさん Sくん (体験談当時の年齢:6歳6ヵ月頃〜6歳11ヵ月頃 男 第1子 茨城県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

小学校に入学したら、先生、友だち、校舎、登下校・・・など初めてづくしの環境になるので、入学前に家でできることの一つとして、簡単な計算だけでもできるようになるといいなと思いました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

<こどもちゃれんじ>のワークです。算数には問いかけられ方や答え方などにある程度パターンがあると思うので、<こどもちゃれんじ>のワークをやっていた経験が役立ちました。算数の問題が出ると、まずは問題の内容を十分に理解したうえで、正しく解答することができるようになりました。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

入学前に簡単な計算だけでもできるようになっていたおかげで、学校の授業には余裕を持って臨むことができたようです。他の子に遅れることなく、先生の指示についていくことができたようで、それがその後の自信にもつながっていると思います。今も「チャレンジ1年生」のテキストはきちんと取り組んでいます。テキストをすること自体が授業の予習になっているので、事前にやっておけば余裕を持って授業を受けることができ、それが内容の理解を高めているとも思います。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

わが家では、あえて算数的なことを子どもに教えたりせず、日常生活の中で自然と身につけていけるようにしていたと思います。その結果、1年生の算数の題材も身近なことが多いので、特に新しいこと、難しいことを習っているという感覚もなく、楽しみながら取り組めていたようです。日常生活の中で数を数える必要があるときは、「2、4、6・・・」などと子どもに聞こえるように声に出して数えていました。そして、「個」、「匹」、「枚」などの助数詞も意識してきちんと使うようにしていました。

今振り返ってみて思うことは・・・。

数の理解、簡単な足し算、引き算は、小学校でもゆっくり時間をかけて教えてもらえます。それよりも、文章題が出てくるころになって問題文を正しく読み取ることができなくて、つまずく子が多かったようです。計算力はあっても、どういう計算をしたらいいのかが分からず立式ができないために答えが出せないのです。小さいころからたくさん本を読んだりして、国語力をつけておくことも大切なのではと思っています。

数の理解

沢井 佳子 先生

100まで数えられることよりも、10までの順序数・集合数の概念が理解できることが今後の力につながります。

数量(数)について就学前までに固めてほしい土台は、100までの数を「言える」ことよりも、たとえそれが10までの数であっても、ものの順番をあらわす「順序数」と、ものを順番に数えたとき、その最後の数が全体の個数を表すという「集合数」の概念を理解していることです。10までの自然数のしくみ・・・という土台の部分をきちんと理解できるようになると、それは後で、あつかう数が100になっても1000になっても、同じ自然数として応用していくことができるのです。

年長児の場合、100までの数唱ができる(数の名前が言える)ということは、珍しいことではないかもしれません。しかし、そうした数唱ができる子どもが、実際、100まで、あるいは10までの数の概念をしっかりと持っているかといえば、必ずしもそうではありません。お子さんが単に数字を覚えているだけなのか、数の概念を理解できているのか、お子さんの様子から確かめてあげてください。

おはじきを20個ぐらい準備して、そのうち、8個をテーブルの上に横一列に並べます。「ここのおはじきは、いくつあるかな?数えてみて」とたずねると、子どもは「1、2、3、4・・・8」と数えて(順序数)、「全部で8個」(集合数)という答えを出すでしょう。ただ、場合によって、順番に「1、2、3、4・・・8」まで数えたものの、最後の8という数が全体の個数を表すという「集合数」の概念が理解できず、「全部でいくつ?」と聞くと「10個!」や「9個!」などと違う数を答える場合もあるのです。

また、おはじきを手前に8個一列、外側に8個一列を並べて、手前は不揃いに密集させて並べ、外側のほうのおはじきは幅を広げて一列に並べます。そして、「(指でさし示しながら)手前のおはじきと、外側のおはじきでは、どっちの数が多いかな?」と子どもにたずねてみます。もし「同じ」と答えたら、「おはじぎが広がっていようが、詰めて置いていようが、おはじき8個に変わりはなくて、同じ数だ(「数の保存」の概念)」と理解できていることになります。しかし、この「数の保存」の概念を理解する前の段階では、「個数」と「長さ」や「密度」などを混同して、広がったほうのおはじきの数が多いとか、ビシッと詰まって並んだおはじきのほうが多いなどと答えがちです。もしこの「数の保存」の概念がまだ理解できていない段階でしたら、手前のおはじきと、外側のおはじきを一個ずつくっつけていって(1対1対応)、同じ数であることを、繰り返し、動作で確認することが大切です。

実際に何か物を使って、手で動かしながら、実験的に考えることが理解を深める近道となります。物を並べ替えたり、仲間に分類したりする動作の中で、手の感覚や視覚を使って、子どもは概念を実感的に理解するようになります。「数というからには数字を使って覚えさせなければ」と、とらわれずに、ぜひ身近な材料(おはじき、みかん、いちご・・・)を使って、おうちのかたも一緒に、「ものを使った数の遊び」を楽しんでください。

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