二瓶 健次 先生

総合監修:二瓶 健次 先生

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病気と予防アドバイス - せき

生活環境3歳4ヵ月
寄せられたご相談

実家の部屋に入るなり、口のまわり、おでこ、目の周りにじんましんが出、鼻水、せきも出るようになりました。どんな対処をしたらいいでしょうか。

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先日実家に遊びに行った際、部屋に入るなり口のまわり、おでこ、目のまわりにじんましんが出、鼻水、せきも出るようになりました。ぜんそく発作用に持ち歩いているはり薬をはり、せきは2時間半後に止まりましたがじんましんは場所を変え実家を出るまで続きました。
実家では室内で犬を飼っています。花粉、ダニ、ハウスダストにアレルギーがあることはわかっておりますが古い木造の家で風通しもよく何に反応したかがわかりません。
今後実家に行くときにどのような対処をしたらいいでしょうか。

先生からのアドバイス
大矢 幸弘 先生

ダニやハウスダストでアレルギー反応を起こす場合は、異常に高い濃度にさらされなければそこまでの症状は出ません。また犬の抗原に対する特異的IgE抗体をもっているかどうかは、血液検査や皮膚検査で調べることができますので、一度小児科でご相談されるとよいでしょう。

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お子さんがご両親の実家を訪れたときに、じんましんやぜんそく症状などのアレルギー反応を起こすという場合、最も多いのは犬や猫などのペットの抗原が原因となっているケースです。
もちろんダニやハウスダストでも起こりますが、異常に高い濃度にさらされなければそこまでの症状は出ません。
犬の抗原に対する特異的IgE抗体をもっているかどうかは血液検査や皮膚検査で調べることができますので一度小児科でご相談されるとよいでしょう。
たとえ犬の特異的IgE抗体が陽性でも、アレルゲン(原因抗原)がなければアレルギー反応は起こりませんから、最もよいのは実家で犬を飼うのをやめて家中の掃除をしっかり行っていただくことです。

ただ、簡単に手放すことは難しいと思いますので、次の対策としては、犬を週2回程度洗い(洗ったあと軟膏(なんこう)を塗らないと皮膚炎を起こす犬もあります)、床や壁のふき掃除を徹底していただくこと、そのうえで、実家を訪問する前にお子さんに抗アレルギー剤と気管支拡張剤を貼付(ちょうふ)もしくは内服させておくことです。
犬の抗原除去をまったくやらずに薬だけでアレルギー症状を抑えることはかなり困難です。
ステロイドを飲ませていけば症状はもっと出にくくなりますが、ステロイドの内服薬には成長抑制などの副作用がありますので、緊急時など特別なとき以外はおすすめできません。

ちなみに犬や猫のアレルギーに対して、空気清浄機は効果はほとんど期待できないと思われます。

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プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

プロフィール


大矢幸弘

名古屋大学卒業後、名古屋大学小児科、国立名古屋病院小児科を経て、 1995年から国立小児病院アレルギー科、2002年から国立成育医療センターアレルギー科医長として勤務。 小児の喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど小児アレルギーが専門。