二瓶 健次 先生

総合監修:二瓶 健次 先生

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症状・病名と予防接種

病気と予防アドバイス - 胃腸炎・食中毒

食中毒2歳8ヵ月
寄せられたご相談

もし子どもが食中毒になったら、家庭ではどんなことに注意し、どう対処すべきか教えてください。

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私は今までに食中毒になった経験がほとんどないため、子どもがもし食中毒になっても、どうしたらいいのかわかりません。
家庭ではどんなことに注意して、どう対処すべきか教えてください。

先生からのアドバイス
末松 隆子 先生

食中毒にかかると、激しい下痢や嘔吐(おうと)、発熱や血便などの症状が出ます。もしかかってしまったら、急いで病院を受診するとともに、家庭では脱水症状に気をつけましょう。

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食中毒とは、飲食物に含まれていた細菌、ウイルス、毒素、有害な物質などを体の中に取り込んでしまった結果、激しい胃腸障害を起こす病気です。食中毒の原因として考えられるものは次の3つ。ひとつ目は「細菌性(ウイルス性)食中毒」です。細菌(やウイルス)が飲食物と一緒に体に入り直接障害をおこす場合と、食品中で細菌が繁殖してできた毒素により起こる場合があります。ふたつ目は「自然毒食中毒」。フグや毒キノコ、じゃがいもの芽、ぎんなんなどの自然毒を食べて起こります。3つ目は「化学物質」。農薬や洗剤など有害な化学物質が体の中に入って起こるものです。
主な症状には激しい下痢と嘔吐(おうと)があり、発熱や血便が出る場合もあります。食中毒の場合は、下痢便や吐いたものにさわると菌に感染する危険性があるので、必ず手をよく洗いましょう。また食中毒のときに市販の下痢止めなどを服用すると、体外に排出しなくてはいけない毒素や菌などを体内にとどめてしまうことになり危険です。さらなる感染を防ぐためにも、早めに病院を受診しましょう。
もし食中毒にかかってしまったら、急いで病院を受診するとともに、家庭では脱水症状に注意しましょう。最初は水分をとっただけでも吐いてしまいます。お子さんの様子を見つつ、ひとさじずつこまめに水分補給をしましょう。多少嘔吐しても水分補給を続けることが大切で、OS-1やアクアライトなどの経口補水液も有用です。乳製品、油脂の多いものは吐き気をさそうので避けましょう。軽症の下痢では、絶食したりミルクを薄めたりする必要はありません。糖分や油脂の多い消化に悪い食品は避け、消化の良い食品を与え、嘔吐・脱水などがなければ普段通りの食事を与えても構いません。

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プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

プロフィール


末松隆子

浜松医科大学卒業後、立川相互病院小児科を経て、現在、京王八王子クリニックに勤務。 ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患を得意とする。おむつはずれやアレルギー対策に関する講演も行う。2児の母。