
東京学芸大学の附属学校として、毎年150人以上の教育実習生を受け入れている附属竹早中学校。日本の教員養成制度における大切な役割を担っています。国立中学校としての使命や授業内容、受験に向けての心構えなどを、校長の下條隆嗣先生に聞きました。
国立中学校がどんな特長をもっているのか教えていただけますか。
国立中学校には大きな使命が二つあります。一つは「教育実習を行うための機関である」ということです。本校では、さまざまな教科において年間計150人ほどの教育実習生を受け入れています。もう一つは「実践的な教育研究を行う機関である」ということです。
大学との連携が密なことも特筆すべきことだと思います。たとえば学校内で何か問題が発生した場合の解決や生徒の心のケアなどは、大学の専門的な協力が得られます。
また、公立学校のモデル・基礎になるように、研究成果を公表することも大切な役割です。その他、公開研究会を開催したり、教科書を執筆したりする先生が多かったりと、いろいろな面で国全体の学校教育に貢献しているのではないかと思います。
年間150人もの教育実習生を受け入れるとなると、先生方のご負担も相当なものでしょうね。
教員一人に学生が6人ほどついて、9月に3週間、10月は2週間受け入れます。学生の所属する講座によっては、ほかの時期にも受け入れることがあります。確かに大変な面もありますが、教育実習は日本の教員養成制度における大切な過程です。そういう重要な役割を国立中学校は担っているのです。
いわゆる「受験して入る」という意味では、私立中学校と同じ位置付けに感じます。
「中学受験」という意味では、本校に入学する生徒全員が受験を経て入ってくるわけではありません。「小学生から中学生への発達段階の様子を見る教育研究」のために、附属小学校、たとえば隣接の竹早小学校から上がってくる生徒もいるからです。これを「連絡進学」と言います。
「附属中学校」と聞くと、たとえば私立の場合、系列の大学に進学できるケースもあるなど、「中学校に入れば大学まである程度の進学が保障されている」というイメージをもつ保護者も少なくありません。
その点では国立中学校の場合は、一部の附属学校を除いて違います。たとえば東京学芸大学の附属学校でも、小学校から中学校へ全員が連絡進学できるわけではありませんし、中学校から高校へも同様です。当然ながら大学へも受験をして入ることになります。
東京学芸大学の附属高校は、東京都世田谷区にある東京学芸大学附属高等学校の一校のみです。それに対して附属中学は4校(竹早・世田谷・小金井・大泉)ありますから、希望しても、全員が附属高校へ進めるというわけではありません。附属高への「内部枠」進学には試験が行われます。そのうち本校の場合は2007年(平成19年)度 167名中76名という実績です。
ただ、今年度から,これまで帰国子女を専門に受け入れてきた附属高校大泉校舎と、附属大泉中学校が統合・再編され、中高一貫教育を行う「東京学芸大学附属国際中等教育学校」ができました。この学校には中等教育の一貫として高校段階が含まれています。