ベネッセがこれまでに行なってきた様々な調査・研究データのなかから 編集部おすすめの情報をセレクトしてご紹介します
夏休みはすぐそこ。さまざまな大会に向けて部活動の練習に励むお子さまも多いことと思います。 前回、学校の先生の業務時間や残業時間をご紹介したところ、「部活指導との関係についても触れてほしい」という声をいただきました。 そこで今回は、特に中学校の先生の勤務実態について、詳しく見てみましょう。 (初出2007/07/11:教育情報サイト)
前回ご紹介したとおり、公立の小・中学校の先生がどんなに長時間残業しても、いわゆる残業手当は支給されません。その代わりに、実際の勤務時間にかかわらず給料の4%分が一律に上乗せ支給されています。 そのようななかで、平均すると中学校の先生は勤務日1日あたり
【表1】のとおり、勤務日の主な業務は成績処理や授業準備に加えて、部活動・クラブ活動が入っています。 成績処理や授業準備の時間が長いのは小学校の先生と同じですが、部活動・クラブ活動は小学校には見られない傾向です。 また、休日になると、部活動・クラブ活動の時間が大幅に増えています。 このように、中学校の先生の残業時間が長くなる理由の1つが部活動であることがわかります。
注意したいのは、これらの数値はあくまでも全教員の平均であることです。【表2】のとおり、部活動・クラブ活動の顧問をしている場合とそうでない場合とでは、残業時間に差があります。 特に運動部の顧問をしている場合は、勤務日だと3時間4分、休日は4時間19分にのぼります。顧問をしていない場合と比べると、毎月約40時間近くの差が生じている計算です。 当然、顧問をしていても授業準備や成績処理を免除されるわけではなく、顧問を任される先生の負担が大きいことがうかがえます。
この調査結果を受けて、文部科学省ではいま、残業手当の代わりに一律支給されている部分を、先生の負担の重さに応じて変える方針を固めました。これが実現すると、部活動を指導する忙しい先生は増額されることになります。 ただ、部活指導は手当てがもらえて、授業をよくするための自己研さんはもらえないのかなど、基準の決め方は簡単ではありません。 そもそも、現在の制度では、残業はあくまでも「予定外」の業務増加をカバーするためとされています。 部活動などの定期的で予測可能な労働は、残業でカバーするのではなく、本来は残業せずに業務ができるだけの体制を整えないといけません。当然、そのための予算も必要となります。 いま、そしてこれから、「せんせい」という職業は、若者にとってやりがいや魅力がある職業に映るでしょうか。 もしも「他に就きたい/就けるところがなかったからなった」という教員が増えれば、当然、教員の質・教育の質が低下します。 その影響を最も強く受けるのは子どもたちです。皆さまはどうお思いになりますか?