教育現場リポート「いま子どもたちに必要な力」第2回:「人とかかわる力」(3)市民科で培う「気持ちをコントロールする力」

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教育現場リポート「いま子どもたちに必要な力」

第2回テーマ:「人とかかわる力 〜いじめとどう向き合うか」

(3) 市民科で培う「気持ちをコントロールする力」

〜品川区立三木小学校・荒川信行先生、伊藤裕子先生(4月から第二延山小学校)

 「キレる」気持ちをコントロールして適切に表現するなどの社会的スキルを身につけることは、いじめやいじめにつながる様々なトラブルの予防にも重要だ。
 品川区立三木小学校(勝又丈雄校長、全校児童313人)では、区が2006年度から全校実施している「市民科」(*1)の時間で、「フレンドシップ・サポート」という取り組みを通して社会的スキルの育成に取り組んでいる。  6月7日、「基本的な生活習慣を身につけ、豊かな人間関係を築く」と題して市民科の公開授業が行われた。

「眠れないことで不安になったことのある人いる?」
 担任の問いかけに、教室の床で膝をくんで座る6年生が次々に手を挙げた。その後、どんなときにストレスを感じて、ストレスを感じると体や心はどんな風になるのか、を話し合った。

図1

「疲れやすい」「心が痛い」「なきたい気持ち」など20項目の質問からなるチェックシートに書き込んで得点化し、自分のストレスの具合を知る。

「ストレスは誰でも感じることだから、いけないことじゃないんだよ」と担任が呼びかけると、みんな一様にほっとした表情を浮かべ、体の緊張を解きほぐすエクササイズに取り組んだ。
 このほか、「協力」「自分の考えや気持ちを上手に伝える」などのテーマで学年ごとに授業が行われた。

 フレンドシップ・サポートには、本音を表現し合い、互いに認め合う体験(エンカウンター)や、互いを大切にしながら率直に自分の気持ちを伝えるコミュニケーション力をつけるアサーション・トレーニングなど様々な手立てを組み込んでいる。どの活動でも、導入→展開→まとめ→定着化(図1)が基本となる。

 昨年度までフレンドシップ・サポートの中心メンバーの一人だった伊藤裕子先生は、 「小学校では、気持ちをうまく伝えられない、受け取れないといったコミュニケーション能力のつたなさからトラブルになる。トレーニングを通して感情がコントロールできることを理解できているのと、いないのでは、子どもたち自身の対処の仕方が全然違う」と話す。

*1 市民科 従来の道徳や特別活動、総合的な学習の時間について、本来のねらいや内容を関連づけ、「人間形成」を目的に単元として再構成した品川区独自の特別教科。
(1)個にかかわる<自己管理>
(2)個と集団・社会をつなぐ<人間関係形成><自治的活動>
(3)社会にかかわる<文化創造><将来設計>
の3段階5領域を設定し、「責任遂行能力」、「コミュニケーション能力」、「社会的判断・行動能力」などを身につけさせることを目標にしている。年間の標準授業時数は1〜4年70時間、5〜9年105時間で、各発達段階に応じた学習を設定する。
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