学力向上のための基本調査2008・中間報告
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● Topics 1 自主的な学習に進めない子どもの意識を探る ●

 図表7−1(前ページ)で、宿題と自主的学習のいずれにも取り組むことの大切さを確認したが、この図表から宿題には取り組んでも自主的学習は行っていない子どもが小5生で28 %、中2生で41 %存在していることがわかる。宿題と自主的学習のいずれにも取り組めていない子どもを合わせると、小5生で33 %、中2生では56 %に及ぶ。ここでは、そのような子どもの割合が高い中2生のデータから、自主的学習に進めない子どもの意識を探ってみたい。

 自主的学習に踏み出せない子どもは、学習上の達成経験が乏しく、自己効力感が低い。学びと将来との関わりの意識や社会への関心も低い。
図表T1−1 宿題と自主的学習の取り組みパターンで見た子どもの意識の特性

 図表T1−1は、図表7−1の宿題と自主的学習への取り組みのパターンA〜Dと意識との関係を見たものである。どの項目についても、肯定率の高さは、A>C>B>Dという関係が現われている。


 宿題には取り組んでも自主的学習には進めない子ども(パターンB)は、いずれにも取り組んでいるパターンAの子どもと比べて、まず最初のグラフから、「自分をできるだけのばしたい」という「向上意欲」が相対的に低いことがわかる(ただし、以下で見る項目に比べて「向上意欲」は相対的には高い水準を維持している)。また、「自分はやればできる」という「自己効力感」や学習をやり遂げたという「達成経験」も低いことがわかる。


 また、これらの意識だけでなく、自主的な学習に進めていない子どもは、「家でしっかり学習することが自分の可能性を広げてくれる」という意識や「学習して身につけた知識は、いずれ仕事や生活の中で役立つ」という意識が低く、自分の将来の進路や仕事と学びとの関わり=学習の意義(レリバンス)が内面化できていない割合が高い。


 さらに、一番下のグラフに見るように、自主的な学習に進めていない子どもは、「社会や人のためになりたい」という思いも相対的に弱い。図表にないが、「社会で問題になっていることについて、どうすればよいかを考えたことがある」「ふだんからテレビのニュースや新聞記事で社会の動きを知るようにしている」という設問についても同様な結果を示しており、社会への関心の低さ、社会との関わりの中で自己の成長を図ろうとする姿勢の弱さが読み取れる。


 このように、宿題と自主的な学習への取り組みパターンの間には多くの項目で意識の差が顕著に表れている(小5生についても同様である)。詳細は今後の報告に委ねるが、上に見たような子どもの意識実態を十分踏まえることがより効果的な指導につながるのではないだろうか。

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