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高い質を保証するフィンランドの教育システム
─情報化・高齢化社会における学校教育のすがた─
松下慶太[目白大学外国語学部専任講師]

進展する情報化・高齢化社会への対応としてフィンランドは「生涯学習(Lifelong Learning)」を一つのキーワードとして掲げている。フィンランドが目指す「生涯学習」のコンセプトを調査するために、フィンランドでの学校を訪問、またUNESCOの議長でもあるタンペレ大学のタピオ・ヴァリス(Tapio Varis)教授へのインタビューを行った。
● 調査概要
【調査1:学校訪問調査】
調査日時
2007年4月17日
調査場所
タンペレ大学附属小学校、タンペレ市立サンポ高校
参加者
Jarmo Viteli、Minna Haasio、松下慶太
目的・内容
実際の教育現場においてフィンランドの教育の特徴がどのように生かされて いるかを調査すること。特に@教室の学習環境デザインと情報化、A生涯学 習の在り方、についてタンペレ大学附属小学校、タンペレ市立サンポ高校の 両校を訪問調査した。
【調査1:学校訪問調査】
調査日時
2007年4月17日
調査場所
タンペレ大学附属小学校、タンペレ市立サンポ高校
参加者
Jarmo Viteli、Minna Haasio、松下慶太
目的・内容
実際の教育現場においてフィンランドの教育の特徴がどのように生かされて いるかを調査すること。特に@教室の学習環境デザインと情報化、A生涯学 習の在り方、についてタンペレ大学附属小学校、タンペレ市立サンポ高校の 両校を訪問調査した。
【調査2:インタビュー】
調査日時
2007年4月22日
調査場所
タンペレ大学ハイパーメディアラボラトリー
参加者
Tapio Varis、松下慶太
目的・内容
e-Learning についてのUNESCO議長でもあるタンペレ大学Tapio Varis 教授に @フィンランドにおける教育の特徴と社会的・文化的背景、Aインターネッ トなど情報技術が教育・学習にもたらした影響、Bフィンランドが目指す生 涯学習社会のコンセプトとその課題、という3点についてのインタビュー。
はじめに
情報化・高齢化社会への対応は日本のみならず世界的な問題となりつつある。1990年代後半以降、急速に進んだ社会の情報化・高齢化に対して、フィンランドは「生涯学習(Lifelong Learning)」を一つのキーワードとして打ち出している*1。フィンランド教育省は生涯学習という視点を、教育機会の平等、国民全体として高レベルの教育保証という視点と共に、学習に関するすべての政策に浸透するものであると位置付けている*2。 日本においても、情報化社会、高齢化社会への対応という文脈の中で、生涯学習は大きな目標の一つとなっており、それをどのようなコンセプトで社会に組み込んでいくか、既存の教育システムと結びつけていくかということが課題となっている。
フィンランドでは約30万km2の国土に500万人ほどが住んでいる。これは日本と同じくらいの面積の国土に東京都の半分弱の人口が住んでいる計算になる。この決して大きな国とはいえないフィンランドの教育が注目を集めているのは2003年に行われたPISA(OECD生徒の学習到達度調査)の結果、トップクラスの学力を示したためだ。同調査で学力低下が問題視されるようになった日本でもフィンランドの教育への関心が高まっている。また経済面においても、フィンランドの国際競争力は世界トップクラスだ。世界経済フォーラムの 06年の世界競争力指標では、フィンランドは05年に引き続き第2位だった*3。 このように世界トップレベルの学力、国際的な競争力を持つフィンランドは、その双方で問題を抱える日本にとっては有効なモデルとなり得る。
今回の調査では、UNESCOの議長でもあるタンペレ大学のタピオ・ヴァリス(Tapio Varis)教授へのインタビューを行い、フィンランドにおける教育・学習の在り方、フィンランドが目指している生涯学習社会のコンセプトを聞いた。また、ハメーンリンナ市の小学校、タンペレ市の高校を訪問し、学校教育の現場を調査した。本稿ではタピオ教授へのインタビューを交えながら、フィンランドにおける学校教育システムを概観し、生涯学習のコンセプトを描き出したい。
フィンランドでは約30万km2の国土に500万人ほどが住んでいる。これは日本と同じくらいの面積の国土に東京都の半分弱の人口が住んでいる計算になる。この決して大きな国とはいえないフィンランドの教育が注目を集めているのは2003年に行われたPISA(OECD生徒の学習到達度調査)の結果、トップクラスの学力を示したためだ。同調査で学力低下が問題視されるようになった日本でもフィンランドの教育への関心が高まっている。また経済面においても、フィンランドの国際競争力は世界トップクラスだ。世界経済フォーラムの 06年の世界競争力指標では、フィンランドは05年に引き続き第2位だった*3。 このように世界トップレベルの学力、国際的な競争力を持つフィンランドは、その双方で問題を抱える日本にとっては有効なモデルとなり得る。
今回の調査では、UNESCOの議長でもあるタンペレ大学のタピオ・ヴァリス(Tapio Varis)教授へのインタビューを行い、フィンランドにおける教育・学習の在り方、フィンランドが目指している生涯学習社会のコンセプトを聞いた。また、ハメーンリンナ市の小学校、タンペレ市の高校を訪問し、学校教育の現場を調査した。本稿ではタピオ教授へのインタビューを交えながら、フィンランドにおける学校教育システムを概観し、生涯学習のコンセプトを描き出したい。
- *1 2006年のデータによると、フィンランドにおける65歳以上の人口の割合は16.5 %となっている。Statistics Finland, "The population of Finland in 2006"より。
http://www.stat.fi/til/vaerak/2006/vaerak_2006_2007-03-23_tie_001_en.html - *2 Ministry of Education, "Education and Science in Finland", Helsinki University Press, 2006, P.5
- *3 同調査において日本は7 位、2005 年調査では10 位であった。World Economic Forum, "Global Competitiveness Report 2006-2007"を参照。
http://www.weforum.org/pdf/Global_Competitiveness_Reports/Reports/
gcr_2006/gcr2006_rankings.pdf
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