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Benesse発 2010年「子どもの教育を考える」
このコーナーでは、教育のあるべき姿をBenesse教育研究開発センターと、皆さんと共に考え、創りあげていきます。
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『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』更新終了のお知らせ

『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』は、2010年3月31日をもって、更新を終了させていただきました。
これまでたくさんのアクセスをいただき、ありがとうございました。

特集
子どもを取り巻く環境と生活習慣

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子どもの生活習慣を変える環境とシステムを工夫しよう

親野智可等 教育評論家

後片付けができない、何でも後回しにする、あいさつができない…。いくら口を酸っぱくして言っても、一向に改善しない子どもの生活態度に業を煮やしている保護者の方も多いのではないだろうか。頭ごなしに叱ることなく、子どもをその気にさせるにはどうしたらいいのだろうか。小学校教員として多くの子どもたちと接してきた親野智可等先生に、子どもの生活習慣を改善し、将来の可能性を伸ばす子育てのコツについてお話をうかがった。

子育てのプレシャーに悩む保護者たち
親野智可等 先生
親野智可等 先生
1958年生まれ。23年間の小学校教師生活を経て教育評論家に。絶大な人気を誇る無料メルマガ「親力で決まる子供の将来」を発行。主な著書に『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)、『親力革命』『「否定しない」子育て』『「共感力」で決まる!』(講談社)などがある。 親野先生の「親力」サイト: http://www.oyaryoku.jp/index.html

 普段、講演会などで保護者の方々と接していると、次のような質問を受けることがあります。

「片付けができないのですが、どのように叱ればいいのでしょうか」

 私は、こういう質問を受けるたびに、教育に対する社会の関心の高さが、良くも悪くも保護者に対してプレッシャーになっていることを感じます。学力低下が話題になれば「しっかりと勉強させないといけない」、生活習慣やマナーなどが問題になると「きちんとしつけないといけない」と無意識のうちに自分自身に言い聞かせる。そこに、テレビのコメンテータが「親がきちんとしつけないから」「叱らない保護者が多くなった」などと解説を加えるので、保護者の方々はなおさら自分自身の責任の重さを感じてしまうのです。

 もちろん、教育やしつけに熱心なのはいいのですが、度を越してしまうのは考えものです。親自身の思いが強すぎると、親がイメージする子どもの姿と現実にギャップを感じてしまいます。そのギャップを埋めるために、多くの親は子どもを叱りつける。「きちんと片付けなさい」「また忘れ物をしたの!」。子どもは日々の生活を窮屈に感じるようになり、保護者は叱ってばかりいる自分に対して自己嫌悪を感じるようになる。本当は楽しく暮らしたいのに、ギクシャクした空気が家庭内に流れてしまうのです。


「叱りすぎ」は子どもの自信を奪う

 叱ることによって、子どもは伸びるどころか、正反対になっていることが多いのです。特に注意が必要なのは、よその子にはとても言えないようなきつい言葉で叱りつけたり、「ずるい子」「ダメな子」などと、子どもの人格を否定するような暴言を投げかけたりしてしまうことです。そもそも、こうしたことは親と子だからといって許されることでありません。そして、「できない」「だめ」など、否定語を多く使って子どもを叱りつけることには、2つの大きなデメリットがあります。

 1つは、子どもが自分自身に自信が持てなくなることです。子どもにとって自分に対するイメージというのは、自分自身の設計図のようなものです。保護者自身は人格を否定するつもりはなくても、四六時中、あれはダメ、これはダメと言われ続ければ、子どもが自分自身にマイナスイメージを抱いてしまうのは当然です。そして、そのマイナスイメージのような子どもに実際になっていってしまいます。

 もう1つは、子どもの中に叱る相手に対する不信感が募っていくことです。頭では「お母さんは僕のために叱ってくれている」と分かっても、心の奥底では「自分は好かれていないのではないか」「本当に愛されているのだろうか」という疑念がわいてしまうのです。親に対して不信感を抱いた子は、他人との関係も、不振や反感をもって関わるようになりがちです。いわゆる「キレる子」は、そういう子どもに多いといわれています。

 子どもを「甘えさせること」と「甘やかすこと」とは異なります。「甘えさせる」とは、気持を受け入れて満たしてあげることをいいます。たとえば、歯医者さんの待合室で長く待たされて子どもが「帰りたい」と泣き出したときに、すぐ叱ってしまう方を見ますが、これは上手でない。こんなとき、「そうだね。長く待ったものね。お母さんもお腹がすいて、疲れちゃった」と気持ちを受け入れてあげる。続けて「でも、はやく直さないと、また痛くなるからね」と言えば良いのです。子どもだって帰れないことぐらいわかっていますから、気持ちを受け入れてもらえるだけで十分。このように子どもを「甘えさせる」ことは、たっぷりしてよい。ですが、ここで本当に帰ってしまったら、それは「甘やかし」になりますね。



  
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