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Benesse発 2010年「子どもの教育を考える」
このコーナーでは、教育のあるべき姿をBenesse教育研究開発センターと、皆さんと共に考え、創りあげていきます。
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『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』更新終了のお知らせ

『Benesse発2010年「子どもの教育を考える」』は、2010年3月31日をもって、更新を終了させていただきました。
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研究員リポート
データからみる今と未来

第9回 携帯電話の普及と子どもの関わり方(1)

Benesse教育研究開発センター 山田 剛 (2007/8/27更新)

 子どもとメディアの関係については、様々な観点から取り上げることができる。ここでは子どもにも急速に普及しつつある携帯電話を取り上げ、他者とのつながりという面からそのことを考えてみたい。

  携帯電話は、人とのつながりといった面だけに絞って考えても、現実の生活空間での人間関係に影響を与えたり、それまでとは別の新しい人間関係を生み出したりする。そして、その使い方に慣れる暇もなく、新しい技術の進歩が新たな可能性と危険性をもたらしているように見える。こうした新しいメディアをどう理解し、どう関わっていくかは重要な課題といえる。

携帯電話の普及状況

 先日、電車にのったときに車両内を見渡すと、私の近くにいる人だけで10人以上が携帯の画面をのぞいていた。2、3年前だと、電車の中で携帯電話を使って話す人がいて迷惑したものだが、今や、黙って画面を見たり、メールを打ったりしている。10年前に、こうした光景を想像できた人は少ないだろう。大人に限っていえば、携帯電話を持たない人の方が珍しい。そして、携帯電話は子どもの生活にも入りつつある。まずは、その普及状況を確認したい。

図表1:携帯電話の所持率(小4〜高2、学年別)

図表1

「第1回子ども生活実態基本調査」Benesse教育研究開発センター(2005)

 図表1は小学4年生から高校2年生までの携帯電話の所持率を示したものである。 小学生ではまだ所持率は少ないが、それでも小学4年生で17.0%、5年生で17.9%、6年生で22.0%と、2割前後になっている。そして、中学1年生では35.0%、2年生で46.4%、3年生で54.0%とふえていく。高校になると9割をこえ、携帯電話を持たない方が少数派になる。

これは2005年の調査だが、その後、子ども向けの携帯電話が各社から販売されたり、家族間の通話サービスが充実してきているので、この割合は増加していると思われる。※1)

※1)最近発表された内閣府の「第5回情報化社会と青少年に関する意識調査」(2006年調査)によれば、携帯電話を使っている割合は、小学生31.3%、中学生57.6%となっている。 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu.htm

 コミュニケーションメディアは、一定の割合が普及してしまうと、持たないことの方が不自由を感じるようになる。例えば、誰かとの待ち合わせで携帯電話がないと不自由に感じるが、つい数年前はそれが普通だったのである。今の普及状況から考えて、携帯電話がその形を変えることはあっても、普及がとまることはないだろう。いずれ、かなりの割合の小学生が所持し、ほとんどの中学生が所持することになると筆者は考える。

保護者の意識 〜携帯電話のメリットとデメリット〜

 まずは、携帯電話を子どもたちが使用することについて、保護者がどのように考えているかを見ておく。

 
図表2は、小中学生の保護者に対して、携帯電話利用についての考えを聞いた結果である。 メリットでは、「親子で連絡をとるのに便利である」90.2%、「危険から身を守るのに役に立つ」68.8%、「友だちとの関係づくりに役に立つ」53.6%の割合が高い。デメリットは、「有害情報に接するのが心配である」78.1%、「犯罪に巻き込まれないか心配である」64.7%、「子どもの友人関係が見えにくくなる」61.9%の割合が高い。

図表2:携帯電話のメリット、デメリット

図表2

平成17年度総務省委託調査報告書「ICTメディアに係る子どもの利用実態及び利用環境等に関する国内外調査研究」
第一部第4章保護者に対するWEBアンケート

 注目されるのは、「いつでも、どこでも、誰とでも、つながることができる」という携帯メディアの特性が、メリットにもデメリットにもなっている点である。つながる先が、親子や親しい友人であればメリットに、知らない誰かや、好ましくない相手であればデメリットになる。危険から身を守る道具にもなれば、同時に、有害情報への入口や、犯罪に巻き込まれるきっかけの道具にもなると考えられている。

 少しだけ、犯罪被害との関係について言及しておきたい。
警察庁が行った出会い系サイトに関する調査(平成18年版警察白書p6〜)によれば、中高生の2.6%が出会い系サイトを利用したことがあると答えている。さらに、その3割近くがそこで知り合った相手と実際に「会ったことがある」としている。携帯電話などの新しいメディアの負の面が現われた1つの例であるが、2.6%という割合だけを見れば少数であるとも言える。 むしろ、問題はその割合ではなく、日常的な世界と危険と思われる世界が同居していることにあると思われる。指先のクリック1つで、学習に関するサイトにつながることも、犯罪に関わるようなサイトにつながることもできる。広く誰(何)とでもつながることができるのは、このメディアのプラスの面でもあり、マイナスの面ともなっている。

 有害な情報に触れること、犯罪に巻き込まれること、悪い友人ができることなどは、リアルな世界でもあり得ることだ。何もメディアの世界だけのことではない。しかし、違うのは、保護者には子どもがバーチャル空間のどこにいるのか見えにくく、コントロールしにくいことだ。

それでは、そういう課題があることを理解した上で、子どもたちの利用実態を見ていくことにしよう。

携帯電話の普及と子どもの関わり方(2)へ

警察白書リンク先
http://www.npa.go.jp/hakusyo/index.htm

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